最終更新日:

部門の壁を壊す:部門の垣根を超え、シナジーを引き出すアプローチ

部門の壁を壊す:部門の垣根を超え、シナジーを引き出すアプローチ

<a href=高藤 賢" width="104" height="104">

著者

高藤 賢

著者

高藤 賢

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員から管理職層まで幅広い階層を支援。社内では提案書の集約システムの構築、社内マニュアルの管理等、業務効率化に向けた仕組みづくりを行っている。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

多くの企業にとって悩ましい課題である「組織内での部門間の摩擦・衝突」「情報共有の壁」。

財務部門とマーケティング部門の予算編成における対立、連携不足で営業部門から実態の共有がないまま進んでしまうマーケティング部門の施策、開発部門の進捗の共有が遅れ製造部門のスケジュールが後ろ倒しになってしまうケース等、具体例を挙げるとキリがないでしょう。

これらの問題の原因をパッと考えたとき、各部門が自部門の利益や目的を優先し、組織全体の目標に対する理解や協力が不足していることに起因しているとも考えられますが、本当にそれだけで説明できるでしょうか。

本記事では、『科学的に正しいチームメソッド30 メンバーが実力以上の力を発揮できるチームの作り方』を参考に、科学的な視点から原因を捉え直し、これらの課題に対処するための具体的なアプローチをご紹介します。

部門間の衝突原因を読み解くうえでの2つの概念

上記のような部門間の衝突原因を読み解くうえでの、2つの概念をご紹介します。それは「セクショナリズム」と「オキシトシン」です。

セクショナリズム …自分たちの部門や目的を最優先し、他部門への貢献や協力を疎かにする状態。これが進行すると、部門間のコミュニケーションが減少し、対立や摩擦が生じやすくなる。

オキシトシン …信頼や絆を形成するホルモン。

一見関係ないと思える2つの概念。ですが、オキシトシンには、信頼や絆を形成するホルモンである反面、味方と敵の線引きを明確にし、他部門に対する敵対意識を強化する側面もあり、セクショナリズムを加速させている、と本の中で紹介されておりました。

ここからは、これら2つの概念の意味を踏まえながら、部門間が対立している状況を打破するアプローチを考えていきたいと思います。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

開催中のセミナーを見てみる

部門間の対立を打破するアプローチ

1. 組織全体の提供価値を見つめ直し、対話と情報共有を促進する

まず第一に、自分たちの組織全体がどんな価値を提供しているか、を再確認し、自分たちが組織にどんな貢献をできているか、を考えることが重要です。組織として何を目指しているか、の目線を合わせることが、共通の目指す姿を追うことにつながり、オキシトシンの枠となる範囲が変わります。

2. 部門の目的・KPIを組織全体の目的やミッション・ビジョンとつなげる

次に、”組織全体”のミッション・ビジョンを踏まえた部門の目標・KPIをつなげていくことが、部門の垣根を超え、一体感を生むことにつながります。つまりは、部門の目標・KPIをあいまいにせず、組織全体のミッション・ビジョンから自部門の目標に落とし込んで明確にしていくことがセクショナリズムを軽減させる有効な施策となります。

また、目標・KPIを決めるだけではなく、目標・KPIがどのように決められたのかのプロセスを共有し、全員が理解することが重要です。
(ちなみに余談ではありますが、OKR(Objectives and Key Results)は、上記のように部門間の協力を促進する目標管理制度で、組織として取り組む重要課題を統一し、一体感を生むために考えられたそうです。)

3. メンバー一人ひとりの組織・社会への貢献の方向性を明確にする

最後に紹介するのは、あくまで前提となる組織としての提供価値や組織として取り組む課題をすり合わせた上ではありますが、部門のメンバー一人ひとりの組織や社会への貢献を可視化し、個人の役割を確認することです。日々の業務がルーティンになると、誰のための仕事なのか、自分は仕事でどんな貢献ができているか、組織から自分に求められている役割は何か、に対する認識が薄れやすくなります。

自分主語ではなく、”組織主語” で業務の目的や担う役割を見つめ直すことが視座を一段高め、セクショナリズムの状況から脱していくことにつながります。

まとめ

以上、部門間の衝突をもたらすセクショナリズム・オキシトシンの2つの概念と、解消するポイントとなる組織開発的なアプローチを紹介致しました。本記事が解決への一助となれば幸いです。