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管理職研修の必須ガイド:抑えるべき3つの転換ポイント

管理職研修の必須ガイド:抑えるべき3つの転換ポイント

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著者

阿部 真弥

著者

阿部 真弥

大学卒業後、株式会社NEWONEに創業メンバーとして参画。入社後、マーケティング部門で新商品開発に従事し、20代育成プログラムの立ち上げ、責任者を担当。現在は、HRパートナーとして新入社員育成から管理職育成まで幅広く、営業・プログラム開発に携わっており、新規開拓領域のマネージャーを務める。
また、新人・若手領域を中心に、ファシリテーターとしても活躍している。

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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終身雇用制度の廃止、就社意識の低下、人材流動化の激化など、刻一刻と変化する時代背景に合わせて、
管理職研修の見直しを考えられている企業様も多いかと思います。

本記事では上記のような時代変化に合わせた「今の時代に必要な管理職研修の設計方法」について具体的なプログラム事例をもとにご紹介いたします。

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管理職研修の難しさ・課題とは?

人材育成のご支援をさせていただく企業担当者様とお話していると
「管理職研修の設計は最も重要だと思っているが、最も難しい」というお悩みの声をいただくことが非常に多いです。
なんとなく新入社員や若手社員よりも求めるレベルが高いし、経験豊富だから難しい…と感じている担当者様は多いかと思いますが、「なぜ管理職研修の設計は難しい」のでしょうか?

その理由は「経験豊富な管理職ほど”生存者バイアス”を持ちやすいから」だと考えます。
生存者バイアスとは「自分がこういう考え方・方法でここまで生き残ってきた(成功してきた)から、その考え方・方法のみが正しいと無意識のうちに思い込んでしまうこと」です。
もちろん管理職の持論や過去の経験は組織としても貴重なノウハウであり、活かすべき資産ですが、
それに対する思い込みが過度になってしまうと、変化・成長に抗う抵抗勢力として働いてしまいます。

特に「キャリア観」については世代ごとの傾向の違いが大きく、バイアスがネガティブに働きやすいテーマです。
・入社したら定年まで勤め切るのが正解である
・若いうちは仕事に100%捧げるべきである
・誰もが例外なく管理職を目指すべきである
等、今の若手世代にとっては当たり前ではないキャリア観が、管理職世代にとっての生存者バイアスとして働いてしまいます。

管理職研修のゴールとは?

上記の通り、生存者バイアスを持ちやすく、設計が難しい管理職研修では、
どのようなゴールを目指せばいいのでしょうか?

もちろん各企業様が抱える課題感によって、強化すべき能力や意識は異なるという前提ではありますが、
全ての管理職研修に通ずるゴールとしては「生存者バイアスに気づき、取り除くこと」であると考えます。
マネジメント能力を高めるためにも、評価者としてのスキルを強化するためにも、多様なメンバーを活かすダイバーシティマネジメントを強化するためにも、全ての成長の前提には「生存者バイアスの排除」があります。

自分のやり方が正しいと思い込んでいる状態でいくらマネジメントのポイントを伝えても吸収できないし、
評価は上が決めて落とし込むものだと思い込んでいる状態で評価者スキルは磨けません。

もちろん「生存者バイアスに気づき、取り除くこと」は管理職研修のみではなく、全ての育成に通ずるゴールではありますが、
特にこのバイアスが成長を妨げるネガティブな要因として働きやすい管理職にとっては、より重要な要素をなってきます。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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管理職の抑えるべき3つの転換ポイント

経験豊富な管理職が生存者バイアスを持ちやすく、変化・成長を促しづらいというのは自然の摂理とも言えます。
では、管理職研修の設計においてどのようなポイントを抑えることがゴール達成において重要になるのでしょうか。
以下、3つのポイントに分けてご紹介いたします。

①”You”マネジメントから”We”マネジメントへの転換

管理職に変化・成長を促すための一歩目は「メンバーは自分とは違う」ということに気づくことです。
当たり前のことのように聞こえますが、生存者バイアスがネガティブに働く要因としては「メンバー全員が自分と同質の人である」という前提があることだと言えます。

今の時代において、メンバーは一括りにできるものでは決してなく、多様な価値観・多様な強みを持つそれぞれ異質な存在を活かすことこそ、管理職に求められるマネジメント能力であるということをまずは理解してもらう必要があります。

②「キャリア=ポジション(昇格・昇進)」ではない

前述の通り、生存者バイアスがネガティブに働きやすいテーマの1つとして、「キャリア」があります。
自分が現在、管理職としての充実したキャリアを歩めているからこそ、自分が進んできた道こそが正しいというバイアスを持ってしまいます。

そのバイアスの前提にあるのは「キャリア=ポジション(昇格・昇進)」という考え方です。
よく聞く「最近の若者はやる気が無い」というような言葉にも、
・管理職になりたくない
・残業をしたくない
・上司と飲み会に行きたくない
等、「キャリア=ポジション」の管理職世代からすると「なぜやらないのか?やる気が無いんだ」となってしまうという背景があります。

一方で、「キャリア=ポジション」ではない若手世代からすると、管理職になりたくない・残業したくないというのは決して「仕事を頑張りたくない」とイコールになる意向ではありません。
自分なりの得たいやりがいや仕事をする目的があり、それらを得るために頑張りたい(=管理職になるために頑張りたいわけではない)という今の世代が抱えるキャリア観の背景を理解することが重要です。

③管理職が全ての領域でメンバーより優れているわけではない

よく管理職研修で管理職自身の不安や悩みの声を伺うと、
・自分が知らないことを聞かれたら困るから自分のやり方を押し付けてしまう
・レールをはみ出して自分ができないことが見えるのは怖いからこれまで通りを意識してしまう
・対応できない要望を言われたら困るからキャリア意向は聞きださない
等、「自分が全てに対して完璧に対応しなければいけない」という思い込みを持っている方が非常に多いです。

もちろん管理職たるもの、率先垂範し、メンバーを率いていくものであるという考え方自体は素晴らしいものですが、変化の激しい今の時代において、全ての領域で管理職が上回っていること等、起こりえないという前提を持つと、より柔軟にメンバーに向き合うことができます。

例えば、コロナ禍でオンライン活用が進んだ2020年頃においては、新入社員の方がオンラインツールを活用した会議や業務の進め方に慣れているという様子が多くの職場で見られました。
オンラインツールやデジタル活用となると、なんとなくメンバーより管理職が詳しくない領域があっても受け入れやすい感覚を持っている方が多いかもしれませんが、それは営業・マネジメント・企画作り等、あらゆる領域においても同じことが言えます。

「全て自分が優れているべきである」という前提があるせいで、自分の枠に当てはめてメンバー全員を縮こめてしまう、という事態を防ぐためにも、「管理職が全ての領域で優れているべきであるは迷信である」ということを理解する必要があります。

管理職の具体的な取り組み事例

これまで記載させて頂いたようなポイントを踏まえ、弊社では多くの企業様で管理職研修のご支援をさせていただいております。

例えば、株式会社ブイキューブ様では約1年間に渡って、計6日間の伴走支援型の管理職研修を実施させていただいてます。

これらの研修前半部分で、前述のような
①”You”マネジメントから”We”マネジメントへの転換
②「キャリア=ポジション(昇格・昇進)」ではない
③管理職が全ての領域でメンバーより優れているわけではない
を丁寧にお伝えしながら、管理職として変化・成長に前向きな状態をつくっていきました。

特に今回のプログラムではDay2に360度サーベイによる自己内省を入れており、
メンバーの実際のコメントをもとに自身の生存者バイアスに気づき、取り除くということに取り組んで頂きました。

それらによってDay3以降に具体的なマネジメントスキルアップをより吸収して行ける状態がつくられ、6日間の伴走支援は無事より良いゴールへと達することができました。

実際には以下のような声が管理職の方々からは出ておりました。
◎課題に対してのアプローチについて、固定化された考えになっていましたがより広い視野をもって取り組んでいくことが重要だと学んだ。他部署との連携の重要性を感じたので今後に活かしていきたい。
・理想の組織を作るプロセスにおいて、メンバーのレンジや直面している業務の優先度を考慮すべきであることを学びました。
◎SWOT分析からシナリオを考えるプログラムがとても学びになった。今まで研修内のプログラムで会社の将来を考える機会はなかったので、普段思い描いていることを言語化し整理することができ、他者が今の組織をどう見ているのか、という視点でも気づきが深かった。
◎視座を高めて未来を見据えて自組織をデザインしていくことの大事さとともに、自組織の課題についてグループワークのメンバーから貴重なアドバイスと学びを得ることができました。
◎改めて言語化したものを誰かに伝える事で、共感が得られるのはやはりうれしい。それだけではなく、共感をもとに、「良くしよう」という前提があれば、指摘をされることが怖くないと感じられる良いワークショップでした。

事例のより詳細についてはこちら

まとめ

この記事では、管理職研修が難しい理由、ゴール、それに対する設計のポイントをご紹介させて頂きました。
管理職は組織の中でも影響力が大きく、育成のレバレッジが非常に大きい対象だと思います。

難しいで終わらせず、今年度から変化に対応する強い組織作りを、まずは管理職研修の見直しから始めてみませんか。
ご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。