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企業視点での“リスキリング”のススメ

企業視点での“リスキリング”のススメ

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

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(株)NEWONEの上林です。

岸田首相が、5年で一兆円を投じると表明し、注目がさらに高まったリスキリング。
注目が大きいからこそ、個人が自主的に好きなことを学ぶ「学び直し」と同義語と捉えてしまうことも多く見られます。

・リスキリングとは何なのか
・どう対応していくべきなのか
企業の視点から考えてみたいと思います。

リスキリングとは何か

リスキリングとは、「新しいスキルを身につけて、新しい業務や仕事に就くこと」です。
その言葉だけ見ると、以前から言われていた人生100年時代のリカレント教育と同じように捉えてしまうことが多くあります。

もともと欧米では、技術的失業を防ぐ解決策として注目されましたが、
AIなどのデジタル技術の浸透によるオートメーションの加速化によって、人の雇用が無くなる事態を未然に防ぐため、消失する仕事から成長分野の仕事への労働移動を実現することが主たる狙いです。

書籍「リスキリング」の著者の後藤氏も、リカレント教育が、長期間(反復)にわたり、人生100年時代の生涯学習として「学習」が主たる目的なところに対して、短期間(6-18か月)で、雇用消失に対応するために、スキルを身に着け「新しい業務に就くこと」が主たる目的と述べています。

実際、日本でも、デジタルトランスフォーメーションを加速させようとすると、ある事業部や部署が必要なくなり、その人材をどのように活用していこうか悩んでいる、というような話をよく受けましたが、企業にとっても組織をより良くする上で、このような労働移動は重要なポイントになってきています。

これはデジタルの文脈だけでなく、企業として、同じ事業が永続的に続くことはほとんどなく、
富士フイルム社が、写真フイルムの需要減から、化粧品や医薬品に大きく転換したことが有名ですが、
どの企業でも、同じような対応が求められるほど、スピードが加速される時代でもあります。

このリスキリングによる労働移動は、解雇というものが比較的難しい日本においては、非常に重要な組織戦略です。
それに加えて、2030年には640万人ほど労働力が足りないと予想され、新たな人材の採用が難しい中で、
自社のことを知っていてベースのスキルが一定ある社員は、貴重な存在でもあり、有効活用していくことは大事です。

そういった背景もあり、企業にとって、”リスキリング”とは非常に重要な打ち手でもあります。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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企業としてリスキリングを推進するために大事なことは

企業がリスキリングを推進していく上で大事なポイントとして、以下3つだと捉えています。

1つ目は、経営戦略と人材戦略の紐づけです。
人的資本経営の文脈で注目される「人材版伊藤レポート」でも、1つ目のポイントに挙げられた点ですが、
中長期を見据えた事業の戦略を捉え、その事業で勝っていくために必要な人材はどのような人なのかを明らかにすることです。
現状の直接対面販売から、デジタルによる販売の自動化とカスタマーサクセス強化がキーだった時に、新たな販売の仕組みを構築するエンジニアや高度なカスタマーサクセス人材の増強を戦略的に行うようなものです。
リスキリングは労働移動なので、どこに移動するのが自社にとって良いのかを明らかにすることは重要です。

2つ目は、人材のポートフォリオ分析と異動できる仕組みづくりです。
現状の能力や意向が明らかにならないと、異動することもできません。
スキルや特性を可視化し、現状とあるべき姿のギャップを明らかにし、打ち手を明文化することが大事です。
(弊社もこの分野のコンサルティングサービスを強化しています)
その上で、適した人材の労働移動が起こるための異動の仕組み化やスキル獲得の機会(業務として)を作ることが大事です。

3つ目は、本人たちの意欲を喚起することです。
今までの仕事で成功体験を得られた人にとって、変化をすることにブレーキがあるのは当然の心理状態だと思います。
そういった方々に、
◎過去の取り組み方を否定しない(むしろ肯定する)
◎”代理体験”のように、変化していく成功イメージを持てるようにする
◎無意識に持っている様々なポリシーに対してun-Learn(アンラーン)を促す
といった点を大事に、変化の一歩目を後押しすることが大事です。

NEWONEでは、これから大事になってくる企業でのリスキリングに対して、より本質的な価値を提供するために、
一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事の後藤宗明氏に2月から顧問に就任いただき、ソリューション開発や情報発信を強化していきます。※プレスリリースはこちら

また、その一環として2023年3月2日(木)13時より人的資本の最大化に向けた 組織強化のための“リスキリング”とはと題したセミナーを開催し、後藤氏および弊社顧問である法政大学教授でありプロティアン・キャリア協会 代表理事の田中氏も交えて、これからのリスキリングについてひも解いていきたいと思います。
ご興味ある方、ぜひご参加くださいませ。


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメントを高める支援を行う株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー

【書籍出版情報】
2022年7月に、弊社代表上林が「人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書」を出版しました。