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“組織の病” を解消するにあたって、向き合うべき感情とは?

“組織の病” を解消するにあたって、向き合うべき感情とは?

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著者

高藤 賢

著者

高藤 賢

株式会社NEWONEに新卒入社。研修をメインとして、人材育成・組織開発のHRパートナーとして従事。新入社員から管理職層まで幅広い階層を支援。社内では提案書の集約システムの構築、社内マニュアルの管理等、業務効率化に向けた仕組みづくりを行っている。

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皆さん突然ですが、「組織の病」と聞いて何を思い浮かべますでしょうか?

・左足の捻挫のように、クセになっていて改善しない組織体制
・情報が適切に共有されない、神経系の病気のような状態

等、具体的な状態が挙がる方もいらっしゃれば、
「身体の調子が良くないのは分かっているだけど、具体的にどこが悪いかは分からない」
という方もいらっしゃるかもしれません。

今回、参考にした「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人 さて、どうする?」の著者上村紀夫氏は、産業医として年間1000以上の組織に足を運び、これまで3万人以上の社員や組織管理者の声を直接面談し、そして経営コンサルタントとして経営視点で組織を見てきた方です。本書では、色々な経験を通して出会ってきた組織の病の具体例を示し、どこから施策を打っていくべきか、が分かりやすく解説されていました。

この記事では、”組織の病” を解消するにあたって、病んでいる組織の傾向、施策を打つ上で向き合うべきポイントを紹介致します。

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病んでいる組織の共通点

上村氏が多くの病んでいる組織を見てきた中で、共通していたのが、

「残業時間削減の取り組みをしたが、現場から不平不満がでた」
「フレックス制度の導入をしたものの、社員のやる気が下がった」
「結果を出した社員をマネージャーにしたところ、離職してしまった」
「1on1制度を導入したが、効果なく負担だけが増えてしまった」

等、良かれと思って施策を打ったものの、それが逆に裏目に出ているという状況だったそうです。

「自分たちも同じ状況だ、、、」
「どの社員にとっても良い施策だと思えるのに、なぜだろう。」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。

ここからは、この状況をもたらした原因と、組織の病を解消する上でのポイントを紹介致します。

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施策を打つ上で向き合うべきポイント

良かれと思った施策が裏目に出ていた原因として、本書では

・組織が病んでいくメカニズムが理解できていない
・組織の病巣を切除する方法が間違っている

の2つが挙げられていました。原因に関する詳しい説明は本書に譲りますが、これらの原因を踏まえた上で施策を打つポイントとして、プラス感情を増やす施策ではなく、「マイナス感情」を取り除く施策を打つこと、が語られていました。

皆さんに思い出して頂きたいのですが、昇給の際、その喜び・嬉しさはどこまで続きましたでしょうか。「給与が上がって嬉しい!やる気も上がった!」と思えるのは数日だったのではないでしょうか。

フレックスタイム制の導入
特別休暇の付与・取得促進
ノー残業デーの設定

フリードリンクや朝ごはんの提供等、社員のためを思って、プラス感情を増やす施策は、持続性が薄く、「当たり前」に変わってしまうことがほとんどです。

一方、減給されたり、自分の同期と比べて給与に大きな差があったりした場合はどうでしょう。不公平感と虚しさ、会社に対する不満は数か月経っても残るでしょう。

プラス感情を増やす施策を導入するのは手っ取り早く、時代の流れに乗っていることを示しやすいとは思いますが、一時しのぎにしかならないことがほとんどです。加えて、マイナス感情は離職やメンタル不調の症状につながることもあり、周りのメンバーへの影響、そして組織全体に伝播していくことも多くあります。

ターゲットとなるマイナス感情を明確にし、そして丁寧に意味づけをしながら施策を打つことが、組織の病を解消するうえで重要なポイントとなります。

まとめ

本書では、さらにマイナス感情の発生対象や、具体的な施策について触れられていましたが、本記事での紹介はここまでとさせて頂きます。自分自身、良かれと思った施策が裏目に出る原因の理解が進むきっかけになりました。この記事が、マイナス感情を取り除くきっかけに、そして働きがいのある、選ばれる組織への一歩となれば幸いです。