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テレワークはOJTをアップデートさせるチャンス

テレワークはOJTをアップデートさせるチャンス

NEWONE事務局

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(株)NEWONEの上林です。
2020年4月の緊急事態宣言から多くの企業様がテレワークを実施しました。
その結果、移動時間の効率などのメリットが見られる一方で、入社したばかりの新入社員にとって職場に馴染みづらいといった問題も見られています。

テレワークの環境下において、新人を職場で育てるOJTはどのようにあるべきなのかをまとめてみたいと思います。

観察学習の減少がOJTを難しくさせる


テレワークではOJTが難しい。
何となく同意はできるが、具体的にどこが難しくなるのでしょうか?

一番は、「観察学習」が難しいことにあると思います。

「先輩や上司の行動や所作を横で見て、それを真似してみる」
ということや、先輩や上司から見ると、
「新人の行動や所作が自然と目に付き、その場でフィードバックできる」
ということです。

OJT(On-The-Job Training)として、実施すべきこととして、

・状態面(メンタルケア、組織や仕事への愛着など)
・育成面(社会人としてのスタンス、知識やスキルの獲得など)

がありますが、それぞれについてどのような影響があり、どうしていくべきでしょうか。

状態面に関して、結節点としての役割を担う


「組織方針」や「仕事」と「新人」を繋げる結節点の役割を担うのが、管理職であり、OJTトレーナーです。

そのためにも、管理職やOJTトレーナーは、新入社員と信頼関係を構築し、状態や意向をウォッチすることが大事です。打ち手に関しては、人事含めて検討できるところですが、状態を把握することは近くにいる管理職やOJTトレーナーの重要な役割です。

職場にお互いにいる場合は、変化をいつでもキャッチできていたところですが、テレワークでは難しくなる中で、状態を把握するための1on1(部下のための1対1のMTG)が大事になってきます。

とは言っても、1on1で新人がそう簡単に本音は出さない可能性があります。

その中で、大事なことは2つあります。
1つ目は、本人の「大事にしていること」等の意向の優先順位をつけるアプローチです。

オープンクエスチョンは簡単には本音がでない中で、様々選択肢を提示し、クローズドな質問である選択を促すアプローチが本音を引き出す上で大事になってきます。
※弊社NEWONEでは、2020年9月に、若手の意向の優先順位を可視化する診断をリリース予定

2つ目は、特定の管理職やOJTトレーナーには本音を言いづらい可能性があるため、管理職やOJTトレーナーのみでなく、職場全体で新入社員を育成する状態を作ることです。

すなわち、職場の誰かに話せる機会を作ることが、把握しにくい状況下において大事です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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育成は「観察学習」から「経験学習」へ


育成面に関して職場での観察学習がしづらい中で、大きな方向性としては2つです。

まずはOff-JTと呼ばれるオンライン研修で、VRを活用した体験からの学習を促す、すなわち観察学習機会を作るという方法です。

Zoom等のオンライン研修に、リアルな現場でのVR映像を組み込むと自宅からでも学習することができます。今後は、このような方法で配属までの能力開発を行うことがキーになってくると思います。
※弊社NEWONEでは、VRを活用したオンライン研修が実施可能です

もう1つは、OJTトレーナーの関わりとして、観察学習から経験学習にウェイトを変更することです。

経験学習サイクルとは、デイビット・コルブによって提唱された学習プロセスで、「経験」に対して、「内省」「持論化」することが大事であり、その新しい持論をもとに「実践」すると、次は違う「経験」になるというサイクルのことです。

二人の新入社員に、同じ仕事をお願いしました。Aさんはその仕事からどんどん成長するが、Bさんは全然成長しない、そのような経験はありますでしょうか。

この違いは何かというと、「経験」自体ではなく、その後、「内省」「持論化」を通じて違う「実践」「経験」に繋げているか否かになります。

経験からの成長の本質がこのサイクルにある中で、テレワーク環境下においても、ここを重視した関わりが大事です。

「実践」「経験」の前に、仕事の意義を伝え理解を促し、その上で仕事実施後は、
「内省」「持論化」の関わりで、本人に新しい持論を作り、次の行動を促す。

観察学習が難しいからこそ、仕事実施の「前後」にウェイトを置く。
そういった育成スタイルへの転換が大事です。

テレワークはOJTをアップデートするチャンス


緊急事態宣言から急速なテレワークが始まり、難しさも多い実情です。
しかし、これは大きなチャンスでもあります。

「伝授する」→「経験学習サイクルを支援する」
というスタイル自体の転換機会。

「画一化」→「個別化」
多様性が問われている中での接し方の変更。

「上意下達」→「より対等に」
オンライン化の対等感がもたらすエンゲージメント向上。

今回のテレワークがもたらすOJTを対処療法で乗り越えるのではなく、チャンスととらえて大きな転換として推進していくことが大事です。


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメントを高める支援を行う株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー