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組織サーベイ・フィードバックの質を高めるために必要なこととは?

組織サーベイ・フィードバックの質を高めるために必要なこととは?

NEWONE事務局

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エンゲージメント向上や人材開発・組織開発全般に関するお役立ち情報やメソッドを発信してます!

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(株)NEWONEの上林です。
HRテックによって、組織の状況を可視化するサービスが多く出てくるようになりました。
私自身、人材育成・組織開発の業界に20年弱いる中で、個人向け360度サーベイの本人へのフィードバックや、各種組織サーベイ結果の管理職へのフィードバックを多数実施してきました。

「サーベイ結果とはいえ、可視化するだけでは組織は変わらない」
「サーベイ結果のフィードバックの仕方がイマイチだと、逆効果になる」

そのような言葉もある中で、携わる上で大事であると感じる点をまとめてみたいと思います。

自分にとって都合の良い解釈をとってしまうもの


病気やケガの治療の場合、血液検査やレントゲン等をとり、現状を正しく理解することから始まります。
それと同様に、組織の状態をサーベイで可視化することはとても正しいことですが、良くない(と本人が捉える)情報を正面から受け止めるのは難しいことです。

立教大学経営学部の中原淳教授の著「サーベイ・フィードバック入門」でも、

「多くの人は、どんな数字を見せられても、それを自分に都合よく意味づけ、『行為を変えないこと』を主体的かつ能動的に「選択」しているのです。」

と述べられています。

人は都合の良い生き物であり、そのように解釈をするものだという前提に立つことが大事です。

だからこそ、著作の中でも、フィードバック・ミーティングのステップとして、

1. 目的説明
2. グラウンドルールの提示
3. データの提示
4. データに対する解釈
5. 「未来」に向けた話し合い
6. アクションプランづくり

の手順が大事だと述べられています。

私自身も過去の経験で、このようなステップが大事だと感じる中で、特に大事だなと思う点を2点まとめてみたいと思います。

(1)フィードバック対象者の感情に配慮すること


喉が渇いた時にしか、水は飲まない。
この業界にいる中で、いつも感じることであり、最も重要視していることです。

だからこそ、フィードバックを受けたい、受けても良いな、という気持ちに導くことが大事です。

デジタル化の流れの中で、サービス開発などで、カスタマー・ジャーニーという手法を使うことがあります。顧客を点で見るのではなく、時系列で旅のように見ながら、各タイミングでの感情や要望などを明らかにしていくようなイメージです。

フィードバックをする前には、これと同様な準備が必要です。ある種、相手の感情曲線を描くようなイメージであり、いかに受け入れたいと思うような流れを作るかです。

そして、これは相手の状況や組織風土・環境にも影響するため、絶対的な解があるわけではなく、相手によって作り上げることが大事です。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

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(2)現状をフィードバックする際に、比較を上手く使うこと


自組織のことを理解するために、自組織だけ見ても理解は難しいものです。
いかに比較をするかが重要であり、現状を理解するための比較として大きく3つあります。

1.理想のありたい姿との現実との比較
2.自分の想定との現実との比較
3.他社・他部署との現実との比較

この3つの比較をすることで、現状を見るきっかけが作られます。
また、その上で重要なのは、これらの比較の「順番」と「ウェイト」です。

いきなり他社と比較してイマイチだと言われても納得はできません。
それ以外の比較を行い、気づきをもたらす手応えを得ながら、他社・他部署との比較と向き合うことが大事です。

この3つの比較を上手く駆使することが大事です。

可視化はあくまでスタートライン


ダイエットをする際に、体重計に乗るだけでは、体重は減りません。
それを踏まえて、いかに”適切な”一歩を踏み出すかどうか。

組織の課題は複雑で難しいことが多いですが、だからこそ、闇雲にスコアを見るのではなく、適切なポイントに仮説を立て、仮説を受けとめ、周りと議論することが重要です。

そういったサーベイ・フィードバックのサービスも弊社では多数実施しています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/newone-wevox

ご興味ある方は、是非お問合せいただければ幸いです。


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメントを高める支援を行う株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー