投稿日:

組織診断を使って風土を変革するためには

組織診断を使って風土を変革するためには

NEWONE事務局

著者

NEWONE事務局

著者

NEWONE事務局

エンゲージメント向上や人材開発・組織開発全般に関するお役立ち情報やメソッドを発信してます!

NEWONEでは、あらゆる企業のご希望やお悩みにあわせた
多種多様な研修を取り扱っております。

どんな研修があるか見てみる

(株)NEWONEの上林です。

我々NEWONEは、働くことが楽しいと感じる人が増えることを願って、各社の職場のエンゲージメントを高める支援をしております。
その中でも、アトラエ社の組織改善プラットフォーム「wevox」と組ませていただきながら、エンゲージメントが高い組織風土への変革を推進しています。

実施・推進していく中で、組織診断を使って風土を変革するための大事なポイントをまとめてみたいと思います。

組織診断を各人が受け入れるための壁


風土を良くするために、組織診断を導入したが、現場の管理職が診断結果を見ても、行動に移せず、何も変わらないとはありませんか?

職場を変容するためには、人事等の企画側が推進するよりも、管理職やメンバーが自発的に推進することの方が、より効果が出ると言われています。

だからこそ、管理職等の職場の中心メンバーがいかに腹落ちして行動するかが大事です。

しかし、実際には、診断結果を見たときに、回避したい感情等から真正面から受け止めなかったり、実際にアクションを起こそうと思っても意欲が続かなかったりすることが良くあります。

では、管理職等の職場の中心メンバーが腹落ちして、行動を続けるために何が大事でしょうか。

まずは、いかに受け止めることができるか


一つは、ギャップアプローチで、認知的不協和を受け止めることです。

そもそも、認知的不協和とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語であり、人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられているものです。

組織診断を受け止めるときに、しっかりとギャップを作り出して受けとめてみる。
例えば、「自分自身の予想」と「現実の結果」
「自部署の結果」と「他部署の結果」
「自社の結果」と「ベンチマーク企業の結果」
というような違いを作り出し、そこで出てくる不快な感情を受け止め、なぜなのかと考える時間をとることです。

今まで、人材開発の領域で、360度評価を活用して数百人の意識改革を担当してきましたが、現状を直視し、きちんと受け止めることで、その人の在り方が変わり、周りに対する影響力がガラッと変わるところを見てきました。

このギャップを受け止めて、掘り下げることが、組織診断から行動に移す一歩目であると感じます。

一方で、このアプローチは管理職の意識を変えることが主目的です。
もちろん、結果として周りへの影響は変わりますが、あくまで主目的は管理職本人の変革です。
では、組織風土を変えるための行動促進においては何が重要でしょうか。

NEWONEでは、エンゲージメント向上をはじめとした
人・組織の課題解決のヒントとなるセミナーを開催しています。

開催中のセミナーを見てみる

具体的な意志があるかが大事


先日、ある企業様で、wevoxを使った管理職・経営者向けワークショップを行い、午前中にスコアを配布し、様々な内省プロセスを経て、夕方に行動宣言を行ってもらいました。
最終的な宣言を聞く中で、具体的なアクションを描き、聞いているだけでこの人は行動しそうだなと思う方が多くいる中で、同じようなアクションでも行動できるかな?と感じる人もいます。

この違いは何からもたらされるものでしょうか。
それは、このような組織(風土)を作りたいという心からの意志があるかどうかだと感じます。

wevoxではエンゲージメントを構成する要素として、キードライバが9個(詳細は、26要素)あって、すべてを高めることは難しいです。
その中で、自分はこのような組織風土が作りたいのだという心からの納得があって、それをドライバの1つか2つに設定し、どのような状態になれば良いかと徹底的に深く考えてアクションに繋げている人は前向きに動き始めているように感じます。

一方で、今後の行動に不安視される方は、今回ダメだったから「改善しなければならない」というような意識で取り組んでいることが多いです。真面目なスタンスがそうさせているのかもしれないですが、そのアプローチだと、具体的なアクションも課題を裏返したものになったり、面白みに欠けたりします。

そもそも、エンゲージメントとは、組織や仕事に対する繋がりや愛着を示すものであり、そういった環境に影響を及ぼす管理職自体がポジティブにアプローチをしないと意味が無いかもしれません。

というわけで、もう1つの大事なアプローチは、 このような組織(風土)を作りたいという心からの意志を引き出し、具体化することです。そして、そこに向けたアクションを取ることです。

風土変革には一人ひとりの意志が大事


組織風土とは、一人ひとりの在り方や所作の集合からなるものであり、一人ひとりの意志によるものが大きいです。

だからこそ、それらを支援するためには、ギャップアプローチと共に、未来に向かったポジティブなアプローチが重要であり、そこに時間をさけるかが大事であると思います。

風土は変わらないと諦めるのではなく、このような風土でありたいという意志がある職場を一つでも多く増やしたい。
そのような気持ちをもって、我々NEWONEは、これらも取り組んでまいりたいと思います。


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年7月、「和×人材育成」をコンセプトにした和の大学株式会社を設立。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、生産性向上やイノベーションなどを支援する株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー