熱狂と、存在意義と(後編) NEWONE権 海瑩 インタビュー

8月に「没頭する技術」というテーマで、2回の連載コラムをお届けしてきましたが、この没頭や熱中というテーマをもう少し深めていきたいと思い、実際にNEWONEで働くメンバーにも話をきいてみることにしました。初回は、自らを「熱狂クリエイター」と名乗り、これからの「シニアの働き方」を軸に、新規事業を推進するNEWONE取締役の権さん。前編に続き、後編をお届けします。

シニア向けの事業を立ち上げてみて、今どう感じていますか?


まだまだこれからだけど、推進する中で「必要だ」という気持ちはつよくなってるね。シニア向けの研修をやりたいというよりは、60を超えても働ける環境をつくりたいという気持ちがやっぱりつよくて。

一歩目はシニア向けのキャリア開発や、研修だとしても、その先に大事なのは雇用先をつくること。「シニアだからこそできる仕事」を、さまざまな組織に入っていく中で、生み出していきたいと思っているし、そんなことをお客さんとも話している。例えば、シニア向けの研修のファシリテーターは、シニアがやるとか。3年、5年かけてそこを本気でつくっていきたいと思ってるね。

やっぱり尊厳や存在意義を感じるための源泉は、期待や誰かに必要にされるということだと思うから、誰でもできる仕事ではなく「その人だからこそできる」「その人ならでは」という感覚を持てるかどうか、にこだわりたい。

あらためて「熱狂する条件」みたいなものはあるんですかね?


あくまで持論だけど、熱狂にはスピードが大事だと思う。スピードがあるから熱が生まれる。あとは「負けがあるということ」かな。退路を断っているというイメージにも近くて、そこにあるヒリヒリする感覚が熱狂につながる。

それからチームというところで考えたときに、チームで何かをやるから熱狂するというわけではなくて、何かを捨てて、何かを取りに行くような一体感があるときにそのチームに熱狂が生まれると思う。

そしてその真ん中には、熱狂という言葉の通り、誰かの狂ったような「熱」があるはず。火元であり、熱狂の源泉。それこそがうねりをつくり、チームをつくり、熱狂を生み出す。例えば、甲子園に出るチームの中には、きっと誰かの「死ぬほど甲子園に行きたい」という熱というか、想いがあるんじゃないかな。

そう考えると、個人でみるか、チームでみるかによって、熱狂のニュアンスも少し変わる気がするな。自分の個人としての熱狂は、やっぱり存在意義の証明というところにつながってくるから。

熱狂なんてしなくても生きていけるし、熱狂することで失うものとかリスクもあるんだけど、それでも何か退路を絶ったり、熱狂に自分を近づけていくのは、そこに自分の存在意義を見出して、人生を全うしたいという気持ちがあるからだと思う。

熱狂には重圧がつきものだと感じたのですが、その時どんな風に自分を保っているんですか?


これはむずかしいね。高く掲げたものや、熱狂に対して、プレッシャーを感じることは、自分はあまりないかもしれない。

ダイレクトな答えではないかもしれないけど、むしろ一番つらいのは、山の頂上を決められないとき、熱狂するものがないとき。それが何よりつらい。特にこの1年くらい、知らず知らずのうちに、退路を絶つことができなかったり、勝負できない自分がいて、しんどかった。

その理由として、組織の中での役割やあるべき論とか、仕事を楽しまないといけないというとらわれとか、そういうものを背負っていた部分があった。逆を言えば、アメフトを辞めて、自分の中で熱狂する対象がみえなくなって、旗を立てられなくなっていたから、色んなものを背負おうとしていたとも言える。
だから、きつくて、苦しんで、苦しんで、そのときに一度背負っているものを捨てた。その瞬間に満杯だったコップの水が溢れて余裕ができて、次に進む方向を決められた感覚がある。

本当にそこまではしんどかったけど、今は極端に言えば、もし失敗しても、それで誰かにできないというレッテルを貼られてもいいし、もちろん不安はあるけど、勝負している感覚、負けたくないという感覚があるかな。

ありがとうございます、まだまだ聞きたいところですが、そろそろ時間がきましたね


いざ話してみると、なんか人生論みたいになったな(笑)。普段は話をきくことの方が多いから、いい機会だったよ。また話そう。

(権さん、どうもありがとうございました)

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https://new-one.co.jp/seminar/2019-0823senior/

 


■ライタープロフィール
山野 靖暁(yasuaki yamano)
1991年生まれ/大阪府出身
株式会社シェイクに新卒で入社後、研修開発やコンサルティング営業に従事、
多くの企業の人材育成、組織開発に携わり、株式会社NEWONEの創業期にも関わる。
シェイク退職後、イギリスの大学院シューマッハカレッジへの短期留学を経て、
2018年3月より島根県の隠岐郡海士町に、暮らしと仕事の拠点を移す。
地域や、海外をフィールドにした課題解決型学習のコーディネートなど、
高校、地域、行政、民間企業等と連携しながら教育の魅力化に取り組んでいる。
最近のテーマは「他者との関わりの中で、その人らしさが生まれる学びの場」

 

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