#コラム

5日間のオンライン研修を終えて感じた“学習効果”を高めるために大切なこと

こんにちは。NEWONEの坂本です。

先日、とある企業の新入社員を対象に5日間のオンライン研修を開催いたしました。
配属前の唯一の研修ということで、社会人としての基本スタンスからスキルまで、集合研修とほぼ変わらない学習項目で実施いたしました。

受講者の声として、
「先輩とのコミュニケーションに不安を感じていたが、ホウレンソウのイメージがついた」
「インプットが多い時間だろうと思っていたが、アウトプットが多く、苦手意識が少し克服できた。」
等という声が出ていました。

また、先方のご担当者様からは、
「最後のアクションプランの発表を聞いていて、1人1人が自分の言葉で語っているのを聞いて、ほんとうにこの研修が実施できてよかったと感じた。この研修が無かったら、どうなっていたんだろう…と思う」といったお声をいただきました。

オンライン、そして5日間連続という受講者にとってはハードな環境でしたが、「社会人としての基本を身につけ、自走する社員への土壌をつくる」という当初の研修ゴールを達成できたと思います。
なぜ上手くいったのか考えるにあたり、まずオンライン研修のメリットとデメリットを整理しました。

<メリット>

  • 場所を選ばず実施可能
  • ファシリテーターと受講者の距離感が近く感じ、質問しやすい
  • チャット機能等を使うことで、クラス全体での意見交換ができる
  • そのときの受講者の理解度や興味関心度合を把握しやすい

<デメリット>

  • 受講者の集中力を使うため、長時間研修には向かない
  • グループで1つのアウトプットを作ることが困難であり、他者や組織の集合知をまとめにくい
  • 受講者同士が心理的距離を感じやすく、メンバー同士での踏み込んだかかわりが起きにくい

特に下線を引いた部分が、研修をオンライン化するにあたり、最もキーとなると考えます。
オンライン研修では、常に画面で自分が映し出される状態で進行していきます。いわば、クラスの最前列でずっと授業を受けているような、そんな感覚です。
ファシリテーターがグループワークなどに入り1人1人とコミュニケーションを取ることも容易なので、ファシリテーターとの距離感は、通常の集合研修よりも近く感じます。
一方、受講者同士の心理的距離感は、通常の形よりも感じやすいものです。研修のはじめに、受講者を見ていて感じたのは、第一声へのハードルが高いな…ということです。対面であれば感じ取れる場の空気や互いの影響力をキャッチできないことが要因だと思われます。

この、受講者同士の距離感は、研修において非常にネックな問題となります。
それは研修にとって最も大切な「他者との“違い”から学ぶ」ことが難しくなってしまい、その結果、「内省」が浅くなってしまうからです。
言い換えると、オンライン研修でも、集合研修と変わらない高い学習効果を実現するためには、お互いの心理的距離を乗り越え、この受講者同士の「違い」から内省させる機会をいかにつくるか、が大切であると考えます。

そのためのポイントとして、以下の3つがあります。

1. 受講者同士の“共通体験”を作り出し、関係性を高める

オフィスではなく、自宅にいる、という状況をうまく生かし、仕事面では見えていない一面を共有し合うことで場の結束感につながります。
例えば、自宅の部屋で最も気に入っているものを、カメラの前に持ってきてもらう等、本人のプライベート部分をうまく開示し、そのライブ感を共有することが空気を作ることにつながります。
また、同じニーズを共有することも重要です。具体的に言うと、「○○に困っている、〇〇に悩んでいる」といった共通のニーズを引き出し、受講者同士が同じ位置に立っているということを認識させることです。

2. 他者から学びを吸収できるような働きかけを増やす

お互いのアウトプットを踏まえて、改めて自分自身のアウトプットに何を付け加えるか問いかけをしたり、グループメンバーの中で最もチームに貢献している人を選び、その理由を共有したりする等、ファシリテーターから学ぶだけでなく、メンバー同士から学ぶ土壌を作っていくことも重要です。グループワークが始まる前に、ただ意見を共有して終わりではなく、自分との「違い」に着目しましょう、と促すだけでも、他者から学ぼうという意識が強まっていきます。

3. 「違い」がアウトプットとして出やすいテーマを与え、発表する機会をつくる

オンラインでは、お互いがワークシート等にどんなことを書いているか等が分かりません。そのため、「違い」がアウトプットとして出やすいテーマを与え、それを発表しながら実際に見せ合う時間が大切です。その問いも、答えがあるものではなく、自分なりに考えて、答えを“創る”ものであると、なお内省が深まります。同じ時間を過ごしていても、そこから学びとるもの、そこから吸収するものが違うことが如実に分かり、その“違い”がなぜ生まれたのか、を自然に考えることになるからです。※基本的にオンラインでは、模造紙などを使い一緒に1つのアウトプットを作る、といった経験ができないため、個人があらかじめ作ったアウトプットに対し、「なぜ?」「他には?」と深堀りしていくスタイルが、有効であると感じました。

研修の最後、受講者に5日間の感想を発表してもらいましたが、学んだのはビジネススキルではありながらも、自分の特徴、思考に気づいたという声も多く、以下のようなものが出ていました。

「限られた時間の中で発表する機会が多かったが、完璧主義で、満足いくものができないと発信するのが嫌だと感じる自分に気づいた。仕事は、限られた時間の中でベストを作るものだと思うので、そんな意識を持てるようになりたい」

「自分自身は、追い込まれると焦ってしまうタイプで、急を要するホウレンソウは自分が何を言っているのか分からなくなりそうだと感じた。1回目からうまくいかないと思うので、その都度、先輩に「どうしたら良いですか?」とアドバイスを求めたい」

上記のように、学んだことをただ頭で理解するだけでなく、自分自身のこれまでの経験や特徴に紐づけ、自分にとってはどんな意味を持つか?自分はどう活かすか?までを考えることで初めて行動変容につながります。

繰り返しになりますが、そうなるためには、深い自己理解、深い内省が必要であり、その内省には「他者との“違い”から学ぶ」ことが不可欠です。オンライン研修であっても上記のポイントを踏まえることで、「他者との“違い”から学ぶ」機会を作り出すことができ、高い学習効果を担保できると感じました。

◆関連事例はこちら