伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様の事例紹介

マネジャーが良い影響力を発揮し、「働きがい」のある職場をつくる 〜共通の目標に向かうことで、自然と「承認」も増える〜

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様
課題会社規模が大きくなったこともあり、コミュニケーション不足の顕在化や一定数の離職があったことから、そうした職場の環境やマネジメント状況を可視化して、課題を抽出し打ち手を考えるためにエンゲージメントサーベイを導入。働き方改革の影響で、効率的な働き方を推奨する制度の拡充と風土が出来てきた面がある一方で課長層に業務のしわ寄せが来て、視野狭窄に陥っているのではないかという課題があり、多くの課長層がプレイヤーも兼ねて日々の業務に追われおり、なかなか今の職場の状態を俯瞰して見ることができない可能性があった。マネジャーの影響力というのを正しく理解して、何をしなければならないのかを考えるきっかけにしてもらいたいことで研修実施に至った
効果・研修を通じてマネジメントの重要性について改めて理解いただき、共通認識を持つことができたのでき、組織やマネジメントについて、マネジャー同士で対話することで、お互いに気づきや学びが得られた。
・ベストプラクティスの共有より、心理的安全性のある場づくりや、感謝を伝えることの重要性がより具体的に理解いただけた
・数ヶ月後事業グループ全体としてはスコアや回答率が上がっている項目が増えた

[スピーカー]
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
エンタープライズ事業グループ
EP企画統括部 部長代行
兼 人事企画課 課長
小林 正朋様 (※写真:左)

エンタープライズ事業グループ
人事企画課
小野地 舞花様(※写真:中央)

株式会社NEWONE
マネジャー
大槻 美幸(※写真:右)

[導入サービス]
管理職向けwevoxを活用したマネジメントプログラム

[実施概要]
エンタープライズ事業グループの課長層(251名)に対して、wevoxを活用してマネジメントの理解を深め管理職の影響力について振り返り、今後のアクションにつなげることを目的に、4時間の研修を全6クラスに分けて実施。


ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします。改めてとなりますが、貴社の事業内容や組織風土について教えてください。

小林様:当社はいわゆるシステムインテグレータと呼ばれる業種に位置付けられております。お客様に製品を販売するほか、インフラ(IT基盤)の構築やアプリケーションの開発などのサービスを提供しています。組織体制としては、我々が所属するエンタープライズ事業グループの他に、流通、情報通信、広域・社会インフラ、金融、ITサービスなど他を含め8つの事業グループがあります。エンタープライズ事業グループだけで、社員数は約1300名、派遣の方を合わせると約2300名の従業員数となり会社全体の3割を占めています。当事業グループは、自動車を中心とした製造業に加え、運輸・食品・エネルギーなど幅広い領域のお客様とお取引があります。2019年からは科学システム本部が当事業グループに加わり、科学工学分野の解析・分析・シミュレーションなどにも取り組んでいます。
事業グループの課題としては、いかに早く最先端技術を用いお客様の課題解決につながる新たなサービスを提供していけるか、そうした技術革新のスピードに対応した人材の育成がより重要となる一方IT人材のリソース不足といった点が挙げられます。風土としては、「Challenging Tomorrow’s Changes」というCTCの略称にもあるように、挑戦するDNAを持ちそれを失わないように人を育てていくことを志してきました。ただ、経営環境の変化や会社の規模も大きくなったことから、その実現が以前より難しくなってきたと感じることがあります。

ー なるほど。そんな組織風土がある中、今回、事前にwevoxの診断を実施して、課長層向けに管理職研修を実施しましたが、実施するに至った背景について教えてください。

小林様:wevoxは2018年にトライアルとして導入しました。導入の背景として、組織が大きくなったこともあり、コミュニケーション不足の顕在化や一定数の離職という課題がありました。そうした職場の環境やマネジメント状況を可視化して、課題を抽出し打ち手を考えるというPDCAを回していくためにwevoxを導入しました。これまでも、毎年課長層向けにさまざまな研修を実施していましたが、もっとダイレクトに現在の職場環境を客観的に見る機会をつくりたいと思い、wevoxの結果を活用した研修を実施しようと思いました。そこで、アトラエ社の新家さんからNEWONEさんをご紹介いただき、今回実施に至ったという背景があります。

ー ありがとうございます。これまで課長層に感じている課題はどのようなものが挙げられますか?

小林様:働き方改革の影響で、効率的な働き方を推奨する制度の拡充と風土が出来てきた面がある一方で中間管理職である課長層に業務のしわ寄せが来て、視野狭窄に陥っているのではないかという課題がありました。多くの課長層がプレイヤーも兼ねて日々の業務に追われていますので、なかなか今の職場の状態を俯瞰して見ることができないのではないかということです。これは、組織マネジメントとしての課題でもありますが、お客様のIT投資の高まりに対して人手が不足している現状や、新たなサービスを提供するためにこれまで以上にスピードが要求されるといったことが影響しているのだと思います。そこで、職場の状態をしっかり可視化する必要があると思いました。また、課長層が250名もいますので、マネジメントのレベル感や組織運営に関する認識にもバラつきがあることも課題でした。

ー 今回の研修によって、課長や職場にどうなってもらうことを期待しましたか?

小林様:マネジャーの影響力というのを正しく理解して、何をしなければならないのかを考えるきっかけにしてもらいたいと思いました。wevoxの結果を見た時に、全体の傾向として人間関係の数値は高いのですが、「挑戦」や「承認」といった項目がやや低めでした。それは、メンバーとのコミュニケーション不足から来ていると思うので、この研修をきっかけに事業グループ全体としてコミュニケーションの量を増やしたいと思いました。また量だけではなく質も重要で、相手を尊重し感謝を伝えることや褒めるということが、もっと自然にできるようになることを期待しました。すぐに劇的に変わるということは難しいですが、「働きがいのある職場」をつくってほしいなと思いました。

対話を通じて、「組織を良くしたい」という共通の想いを共有できた


ー 実際、実施してみていかがでしたでしょうか? 率直な感想についてお聞かせください。

小林様:実は、これまで事業グループ主催の研修でマネジメントについて学ぶ機会をあまり設けていませんでした。そのため、今回の研修を通じてマネジメントの重要性について改めて理解いただき、共通認識を持つことができたのではないかと思っています。組織やマネジメントについて、マネジャー同士で対話することで、お互いに気づきや学びが得られ大変刺激になったと思います。例えば、サーベイのスコアが高い課の人が、普段どんなことを心掛けているのか、具体的に行っている行動をシェアしてもらったりしました。そうすることで、心理的安全性のある場づくりや、感謝を伝えることの重要性がより具体的に理解いただけたと思います。自分の職場がどういう傾向があるのか、今後どんなことを意識して行動すれば良いのかを考える機会として、非常に良かったです。
また、今回の研修を通じて横の連携を強化したいという想いもあり、あえて違う組織の人同士を同じグループにしたり、懇親会の場を設けたりしました。それが、効果的に働き受講者からも良い反響を得ることができたので、実施して良かったなと感じました。

小野地様:毎年、課長層向けの研修にオブザーブさせていただいています。課長層の方々は大変多忙なこともあり、研修で集まった時に漂う疲弊感がどのように影響するのかなという不安が多少ありました。しかし、今回はwevoxというダイレクトな結果があることもあり、真摯に向き合ってくださる方が多いと感じました。ワーク中の話を聞いていても、組織を良くしたいという想いを持っていることが感じられて、それを共有してもらえたことが良かったです。多くの方々が、実は強い想いを持っているのだなと、改めて気づくことができとても新鮮でした。

小林様:それは恐らく、葛西さんをはじめ講師の方々の熱量に感化されて、普段はあまり表に出さない想いが出てきたのだと思います。研修を通じて対話をすることで、組織を良くしたいという前向きな想いを共有できたことは、非常に良かったと思います。

ー ありがとうございます。その後、受講者や職場に何か変化はありましたか?

小林様:前回サーベイを9月に実施し、研修を11月、そして今回ちょうど先週(2月)に完了しました。まだ、結果の細かい分析はできていませんが、事業グループ全体としてはスコアが上がっている項目が増えました。年度末ということもあり、スコアが下がってもおかしくない状況でしたが、前回より回答率も上がっていました。
研修の中で、職場での具体的なアクションを明確にして行動してもらうという設計になっていましたが、忙しい中でも皆さん意識されて行動した結果だと捉えています。これまで、人間関係だけで何となく和気あいあいとやっていたところから、共通の目的やゴールに向かっていくことで、承認や賞賛する機会が少しずつ増えているのかなと感じています。もちろん、職場毎にはまだまだ課題はあると思いますが、全体の傾向としては少しずつ変化してきていると思います。

お互いを尊重し感謝を伝え合うことで、「求心力」のある職場をつくる


ー 貴社では、エンゲージメントをどのように捉えていますか?

小林様:エンゲージメントという言葉の本来の意味とは異なるかもしれませんが、別の言葉に置き換えるとすると、私は「働きがい」だと捉えています。人それぞれ置かれている環境や立場は違いますが、日々の仕事の楽しさ、大変さや人間関係などトータルで、「働きがい」があると言えることが大切だと思っています。そして、その結果として業績向上や、顧客からの良い評判につながることが理想の状態だと思います。

ー 今後、働きがいであるエンゲージメントを高めていくために取り組んでいきたいことや、wevoxのこの項目に注力していきたいと思っていることはありますか?

小野地様:wevoxの項目でいくと、「承認」を高めていきたいです。感謝を言葉にして伝えることで、他の項目も上がっていくのではないかと考えています。事業グループの人だけが見られるサイトがあるのですが、そこにサンクスメールを送り合える仕組みを導入しました。来週から運用を開始するので、感謝を伝え合う機会を増やしていきたいと思います。

小林様:事業グループ内でできる取り組みや改善は引き続き実行していきたいと思っています。また、wevoxの結果から見えてきたことを、人事部などにも共有し、制度や仕組みで改善できることがあればどんどん提案していきたいと考えています。

ー 今回、アトラエ社からご紹介を受けて、NEWONEにお任せいただいた決め手があれば教えてください。

小林様:正直なところ、私自身が事業グループで研修を企画するということが初めてのため、他の研修会社さんを存じておりませんでした。アトラエ社の新家さんからご紹介いただいたことが一つのご縁で、葛西さんと大槻さんにお会いさせていただきました。我々がどうしたら良いのかと悩んでいる課題に対して、葛西さんの熱量と管理職への想いというのが心に刺さりました。受講者に対しても、何かしら心に残るものを実施していただけると感じました。大槻さんにも、我々の課題を端的に整理いただいて、NEWONEさんであればこちらの意向を組んだ研修を実施していただけると思いました。

ー ありがとうございます。このような研修は、どんな組織にお勧めしたいですか?

小野地様:弊社のように組織が大きいと職場の細部まで見えないことがあるため、wevoxを導入して可視化する意味があると思います。また、マネジメントの共通の目標を持ち認識を合わせるためにも、wevoxと連動した研修はお勧めだと思います。

小林様:wevoxは、組織の今の状況を可視化できるので、どの部署に課題が生じているのかをすぐに把握することができます。wevoxは組織としての課題を見える化できるツールと捉えていますので、ある一定の組織規模があった方が、課題を見つけ改善していくのに有効ではないかと思います。また、サーベイだけではマネジャーの育成や動機づけは難しいので、研修という機会を設けて対話をすることが必要です。弊社のように多忙なマネジャーが多い組織には、wevoxと研修という組み合わせがお勧めだと思います。

ー 今後、どのような組織をつくっていきたいですか?

小野地様:もっとコミュニケーションを活性化していきたいです。共通の目標を上司が共有し、同じ認識を持って目標に向かっている職場を増やしたいと思います。それが「働きがい」につながってくると感じていますので、日々忙しい中でも目標やビジョンを意識しながら働くことができれば、私はそれが理想の組織かなと思っています。

小林様:当事業グループは、キャリア入社の社員も多くまた派遣の方も社員と同程度います。多様な人材と仕事をすることが、我々のビジネスには不可欠です。多様な人材が多いということは、それぞれ立場や価値観が異なりますので「求心力」が必要になってきます。マネジャーは影響力を持っていますので、良い影響を発揮していってほしと思っています。そうすることで、多くの職場で求心力が生まれ、それぞれが「働きがい」を感じることができる組織になると思っています。キャリアの描き方も多様な時代ですが、CTCとご縁があって一緒に働いているメンバーですので、お互いに尊重し合い感謝や承認の言葉が自然と出てきて、「この職場で良かった」「仕事が楽しい」と思う人を増やしたいと思っています。

ー 本日はお忙しい中、貴重なお話をお伺いさせていただきありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願いします。

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NEWONE担当からの一言

  • 大槻 美幸(Otsuki Miyuki)

    大槻 美幸(Otsuki Miyuki)

    コメント

    お客様のIT投資の高まりに対して人手が不足している現状や、新たなサービスを提供するためにこれまで以上にスピードが要求されるといったCTC様のビジネス環境において、課長層の皆様にとってどのような研修がベストか、人事の小林様、小野地様と何度もお打ち合わせさせていただき、実施に至りました。実際の研修では、エンゲージメントサーベイの結果に真摯に向き合ってくださり、組織を良くしたいという想いを持っている課長層の方々でしたので、サーベイを職場で活かせるマネジメントの武器としてご理解いただき、大変嬉しかったです。改めまして機会をいただき、感謝申し上げます。