株式会社エーピーコミュニケーションズ様の事例紹介

エンゲージメントを高めることで、笑顔で働く人を増やしたい 〜ゲームは楽しく学べ記憶に残る新たなツール〜

株式会社エーピーコミュニケーションズ様

※写真左から(株)NEWONE コンサルタント 館越 友哉 (株)エーピーコミュニケーションズ 組織能力開発部 部長 片桐 高自様

[会社プロフィール]
1995年11月に設立。お客様の「本当に実現したいこと」を、ITインフラの面からサポートしながら実現していくことをミッションとし、お客様の要望に合わせたサービスを提供。最新技術に精通し、日本のSI業界を活気に満ちた面白い業界にすることを目指す、マルチエンジニア集団として業界を牽引。マルチエンジニアが創るこれからのSIerを「NeoSIer」と定義し、グローバルスタンダードでロケーションフリーなSI業界を創出し、エンジニアとお客様が共に笑顔になれる未来を創造することにチャレンジしている。
従業員数:381名(2019年7月現在)

[導入サービス]
・エンゲージメント・ゲーム内製化支援

[実施概要]
内製化ツールのエンゲージメント・ゲームを活用し、自社の管理職約60名に対して、エンゲージメントの概念を疑似体験し、1on1を通して部下のエンゲージメントを高めることを目的としたマネジメントキャンプ(管理職研修)を実施。


― 本日はどうぞよろしくお願いいたします。改めてとなりますが、貴社の事業内容や組織風土について教えてください。

片桐様:弊社は、お客様の課題をITインフラという側面からサポートしながら、その課題を解決していくシステムインテグレーター(SIer)と呼ばれる業種となります。お客様先に、エンジニアが常駐してシステム開発や運用、コンサルティングを行うことが主な事業内容となります。そこをサポートする形で「システム基盤開発」「オリジナルプロダクト」「システム基盤請負」の3つの部署があり、お客様先に常駐するチームと連携し、より幅の広い課題解決の方法を提供しています。
会社のビジョンとして、「エンジニアとお客様を笑顔にする」を掲げています。お客様の前に「エンジニア」が来ているところに強いWILLがあり、お客様と対面で接するエンジニア自身が笑顔で仕事ができなければ、お客様をハッピーにすることはできないという想いが込められています。弊社としては、まずはエンジニアを笑顔にするために何ができるかを物凄く真剣に考えています。また、例えば、「キャリア相談室」という若手のキャリア相談を行い、上長や人事には言いにくいことも相談できる社員の駆け込み寺を設けており、この取り組みはホワイト企業アワードで賞を頂くなど、社外的にも評価を頂いています。

組織風土としては、エンジニアが多いので、自ら技術力を高めようという意識の高い人がとても多いです。お客様の課題を見つけたり、問題を解決したりできるのも技術があってこそという面がありますので、技術力は弊社の強みだと思っています。
社員の関係性においては、2年前から1on1を強化しています。お客様先に常駐しているメンバーと上司が異なるロケーションにいる場合もあり、物理的にコミュニケーションを取るのが難しいケースが多くあります。そういった場合でも、うまく連携を取って1on1を実践するという風土があり、それが少しずつ根付いてきている状況です。仕組みやマインドをもう少し変えることによって、もっとコミュニケーションやマネジメントが楽になると思っています。

― 今回、弊社のエンゲージメント・ゲームをご自身でファシリテートする形で管理職向けに実施されましたが、実施に至った背景について教えてください。

片桐様:「エンゲージメント」という言葉自体は、最近よく耳に入ってくるので、私としても意識していました。ただ、これまで会社として「エンゲージメント」を考えることや高める施策を特に打ってきていないこともあり、これから浸透させていく上で、まずはそのきっかけを作りたいと考えていました。
そのきっかけによって、自分のエンゲージメントが高まるポイントと部下のそれは必ずしもイコールではない、イコールである必要もない、ということを上長自身に理解してほしいと思いました。彼らが部下と対峙する際にエンゲージメントという概念をうまく活用することで、部下のやる気や能力を引き出して、前向きに仕事に取り組めるようにする。そんなかかわりを持てるようになれると考えたのです。
そのためには単にエンゲージメントの概念を理解してもらうだけではなく、疑似的に体験できる方法が良いと考え、色々と模索していました。そこで、NEWONEさんのエンゲージメント・ゲームを実際に体験してみたところ、リアリティがあるだけではなく、研修受講者である管理職メンバーが楽しんで取り組めそうだなと感じました。もちろん、楽しいだけでは意味がありませんが、楽しくやることによって記憶に残りやすいと思い、今回NEWONEさんのエンゲージメント・ゲームを、弊社のマネジメントキャンプ(管理職研修)の中に取り入れさせていただきました。


まずは自身のエンゲージメントが高まるポイントを理解し、他者との違いを受け入れる


― ありがとうございます。これまで、管理職に感じている課題はどのようなものがありましたか?

片桐様:弊社はお客様先に常駐することが主な業務ですので、自分の部下が常にそばにいないケースも少なくありません。そういった状況の中でのマネジメントやリーダーシップの発揮の仕方は非常に難しいと思っています。管理職も部下も様々なタイプがいますし、伝え方も受け止め方も人それぞれ違います。恐らく、誰にでも通用する万能の方法というものはないでしょう。ですので、部下との関係性において、何がベストなのかは管理職が自分で見つけていくしかありません。その一つのきっかけがエンゲージメントだと思っています。
また、弊社ではこれまで管理職向けにモチベーションや価値観について一歩踏み込んで考えるという機会を、あまり設けていませんでした。若手向けにはキャリア研修などを実施して自分自身の価値観を考える機会を設けているので、管理職には、エンゲージメントという側面から自身や部下の価値観を考えてもらう機会を設けることにしました。これにより、双方が価値観を明確にし、仕事に前向きに笑顔で取り組める人が増えれば、技術力に加えて、それが我々の強みになると思っています。

― 今回の研修によって、管理職の方にどうなってもらうことを期待しましたか?

片桐様:まずは、自身の価値観とエンゲージメントについて考えてもらうことです。その上で、対峙しているメンバーや部下の価値観とエンゲージメントについても考えてもらおうと思いました。人によって価値観は違いますし、エンゲージメントも違うということを受け止め、どういう働きかけをしたら良いのか、どう対応することで相手が前向きに仕事に取り組めるのかを考えながらマネジメントできる管理職を増やしていきたいからです。自分の考え方ややり方が常に誰に対しても通用する訳ではないと頭では理解していても、ついつい自分の得意なやり方や普段やり慣れている方に向いてしまうので、他の方法もあることに気づいてもらいたいと思いました。

1on1を活用し、部下のエンゲージメントを高めるヒントを得てほしい


― 実際、実施してみていかがでしたでしょうか? 率直な感想についてお聞かせください。

片桐様:今回、管理職研修に初めてゲームという要素を取り入れましたが、始めるまではゲームという手法が研修のカリキュラムとして受け入れられるかどうか正直心配もありました。しかし、参加者がエンジニアということもあり、ロジカルに考えることが得意なので、ルールの飲み込みも早く、ゲームは大変盛り上がり、終わった後の反応や感想も非常に良かったです。
今回は個々人の資質とコンピテンシーのアセスメントを取って、できるだけ違うタイプの人を混ぜてグループを構成しました。そうすることで、同じ管理職であっても自分とは違うタイプの人と議論することで、現場に近い形で自分の価値観と他者の価値観は違うということに気づきやすいと思いました。実際に振り返りでは、「自分たちでもこれだけ価値観が違うのだから、現場の部下とはもっと違うよね」という感想も出ていました。部下のエンゲージメントは、自分からコミュニケーションを取ることで高めることができるということに気づいていただけたと思います。
私としては、1on1をもう少し深くやることで本人の価値観や、やる気の源泉、普段考えていることを引き出せるということを一番伝えたかったのですが、それに近い何かしらの気づきを持ち帰ってもらえたのではないかと思っています。また、研修のやり方についても、楽しみながら体感することで気づきを促すという新しいやり方が実践できたと思っています。

― ご自身でファシリテーターをやられてみて、大変だったことはありましたか?

片桐様:1グループ6名の9グループで約54名に実施しました。グループ数も多いので、1時間半の中で、ルールをうまく理解させて回せるのかという不安は多少ありました。特に時間は気になりました。ですが、上林さんの講演内容にとても納得感がありましたので、それを自分で実施して伝えられるという楽しみもありました。
実際は、ほぼ時間通りでスムーズに実施することができました。もっとドタバタして質問の嵐かなと思っていたのですが、参加者のキャッチアップが早くて助かりました。エンジニアということもあり、こういったゲームのようにフレームがあって、制限のある中でいかに成果を創出するのかを検討することが業務に近い考え方なので得意なのかもしれません。皆さん集中して楽しみながら取り組んでいたので、こちらとしても非常に良かったなと思います。

― 今回、エンゲージメント・ゲームを選んだ理由について教えてください。

片桐様:最近、カードを使ったワークが世の中にはたくさんあり、弊社でも若手社員向けの研修で価値観のカードゲームを実施してとても盛り上がりました。管理職向けの研修で、こういったゲームをやるとしたら、リアリティがあるものが良いなと思って探していました。そんな折、ちょうどHRサミットでNEWONEの上林さんの講演を聞かせていただいて、エンゲージメントを扱っているゲームがあるということ知りました。上林さんがお話されていた、エンゲージメントが今の時代に必要とされる背景や考え方、現場での高め方など原理原則に基づいており私自身とても腑に落ちたので、ぜひNEWONEさんのエンゲージメント・ゲームを使ってみたいと思いました。実際にゲームを体験する中で、仕事をしているような感覚でカードを出して進めていくところや、その中にちょっとした落とし穴があってエンゲージメントが下がるメンバーがいたりと現実に近い感覚を味わうことができ、弊社での実践イメージも湧いたことが今回選んだ理由となります。

管理職向け内製化研修は、周りを巻き込むことが鍵


― 自社の管理職に対して、内製化でこういったゲームを取り入れた研修を実施するとなると、ハードルが高いと感じる人が多いと思うのですが、片桐様はどのように感じていましたか?

片桐様:今回エンゲージメント・ゲームを取り入れるにあたっては、事前に研修事務局や一部の参加者にその旨を伝えていました。伝えた時の反応が良かったので、比較的ポジティブな反応を事前にもらうことができていました。もちろん受講した管理職は60名近くいるので、中にはイマイチだと思った人もいると思いますが、私としては前向きに実施することができたと思います。
企画の段階で、事務局の方や管理職の人を巻き込んで、反応を見たことが良かったのかもしれません。また、今回「、研修名が管理職研修」から「マネジメントキャンプ」に変わったこともあり、ゲームを取り入れたことに対しても、新しさを感じてもらえたのではないかと思っています。

― エンゲージメントを高めていくために、今後取り組みたいことはありますか?

片桐様:弊社ではキャリア相談室を設け、個人で価値観を考えることはやっているのですが、そこと業務のつなぎの部分がもっと必要だと思っており、連携を強化できればと考えています。また、エンゲージメントそのものについての考え方は、管理職以外の若手社員や、管理職手前のリーダー層にも浸透させていきたいと思っています。私は研修を提供する立場にもあるので、各階層に取り入れ随時反応を見ながら実施できればと考えています。
また、うまく浸透できているかの測定方法については、今後検討したいと思います。

― エンゲージメント・ゲームは、どのような組織(会社、部署)にお勧めしたいですか?

片桐様:エンゲージメント・ゲームそのものは、弊社のようにエンゲージメントを浸透させたい組織や、既に何かしらの施策をやっているけれどもうまくいってない、認識にバラつきがあるという組織には、業種・業界問わずすごく有効だと思います。また、若手や新入社員にも良いと思いますし、階層別だけではなく部署単位などで実施してみることも面白いと思います。私として今後やってみたいのは、上下関係もある実際のチームでの実施です。そうすると、気づきや学びがさらに深まるのではないかと思っています。

― 今後どのような組織をつくっていきたいですか?

片桐様:弊社はAPアカデミーという社内大学を10年くらいやっており、研修の目的や活用方法を社員が理解していて共通言語ができているという状況があります。そういったこれまでのメリットを活かしながらも、次のステージに向かうタイミングでもあると思っています。育成やOFF-JTで実施する組織能力開発という部分は、私達の部署の役割ですので、改善や見直しをして、これからの時代に社員が学んでおいた方が良いことや必要なもの、新しいものをもっと取り入れ、組織としてさらにパワーアップできるようにしていきたいと思っています。
また、この業界は全体的に入ってくる人もたくさんいますが出ていく人もそれなりにいます。IT業界は特に売り手市場ということもあり、若手においては社会的にキャリアをしっかり考える風潮があると感じています。できれば、この会社で活躍してもらいたいという想いもありますので、自身の価値観を共有することでこのチームで働きたい、この人達と一緒に仕事をすることで自分が成長できる、自分の夢が叶えられるなど、そういった想いを根付かせる意味でもエンゲージメントの高い組織をつくっていきたいと思っています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をお伺いさせていただきありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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