エンゲージメント

働きやすい現場だが、
・働きがいは、あまり感じられない
・成長しづらく、将来の市場価値に不安を感じる
そういった声が多くの働き手から聞かれます。
エンゲージメント向上が必要だと叫ばれていますが、私たちは”優しすぎる環境づくり”を推進していないでしょうか?
エンゲージメント向上によって目指すのは、優しすぎる職場ではなく、「I want to work」と主体的に貢献したい人たちが集まる職場です。
趣味やスポーツなど、何かにのめり込む経験をしたことがありますか?職場でも、同じように前向きに仕事にのめり込む状態を目指します。
そのためには、
・チームや仕事への「ポジティブ感情」を持ち、
・やらされ感ではなく、「自己決定感」をもとに行動し、
・行動したことに対して、「成長実感・貢献実感」を感じる
そして、その実感がまたチームや仕事へのポジティブな
感情につながる。
この「エンゲージメントサイクル」をまわし続けることが、前向きに仕事にのめり込む状態を作り出します。
「給与」「心地よいオフィス環境」
「充実した福利厚生」「キャリア支援面談」
「納得感ある人事制度」「自分のやりたい仕事」
「成長につながるフィードバック」「周りとの人間関係」
様々な施策がありますが、エンゲージメントサイクルと紐づけて、各施策を企画・実行することが大切です。

部下を出来るだけ褒めることが推奨されていますが、本当にそうでしょうか?
頑張ってないこと、注力していないことを褒めても、部下はしらけてしまいます。相手が頑張っていることを見極めたうえで具体的に褒めることが、部下からの信頼を高め、チームの一体化にもつながります。
会社や上司から、環境や情報を与えすぎていないでしょうか?
与えすぎると人は、考えることをやめ、状況に甘えて、結果環境に依存してしまいます。それが楽だからです。エンゲージメント高い組織をつくるためには、会社側は、従業員が自己決定できる余白をつくり、従業員側の内発的動機が生み出される風土をつくっていくことが大切です。与える組織ではなく、惹きつける組織づくりを。
人、組織にまつわることを考えると無意識に「平等」に囚われてしまいます。
「全員」を意識するがあまり、エンゲージメントをを高めるための施策が抽象的になり、結果としてインパクトの無い施策となり、エンゲージメント向上に良い影響を及ぼすことができません。エンゲージメントが高まるポイントは人によって違うという前提に立ち、組織を構造的に捉え、戦略的にどのゾーンの社員のエンゲージメントを上げ、組織のパフォーマンスを高めるのかを上位層が企てて進める必要があります。
慶應義塾大学総合政策学部
教授 島津明人
株式会社NEWONE
代表取締役社長 上林周平
私は、仕事との積極的なつながりに関する「ワーク・エンゲイジメント」研究に従事しており、研究の成果を産業保健・人事・経営につなげる橋渡しに関わってきました。最近では、健康経営優良法人やG7倉敷労働雇用大臣会合にもワーク・エンゲイジメントの概念が取り入れられるなど,政策にも少しずつ浸透してきました。
一方で、ワーク・エンゲイジメント以外にも、「エンゲージメント」という用語が、様々な場面で使われるようになりました。しかし,職務満足感や動機づけといった既存の概念を単に流行りのエンゲージメントという用語に置き換えただけの状況も見受けられ、混乱を招いているようにも思えます。
こうした状況を背景に、NEWONE社では,ワーク・エンゲイジメントや従業員エンゲージメント、そしてこれらの類似概念を整理し、本冊子にまとめました。目に見えない概念だからこそ、これを正しく理解し運用することが、科学的根拠を持った人事マネジメントや経営活動には重要です。本冊子が従業員のワーク・エンゲイジメント支援や、活き活きとした社会の推進につながることを期待しています。
弊社ではエンゲージメント向上支援を各社に対して提供させていただいておりますが、たくさんの人事施策を実施していても、逆効果になっている事例が多く見られます。たくさん与えられると社員は受け身になってしまう、という人の特性と対峙する必要性を感じます。また、雑誌「日経ビジネス」2021年11月15日号「ゆるブラック企業 残念な働き方改革の末路」で、成長実感や貢献実感などのやりがいを得られず、企業から去っていく実態が特集されていました。「働きやすさ」を追求するあまりに、「働きがい」が失われる実態。離職防止も会社への愛着ももちろん大事ですが、エンゲージメントの本質は、「I have to work」ではなく、「I want to work」の状態で社員が働いていることです。
本冊子では、様々な解釈があるエンゲージメントの概念を整理し、向上するための本質的なポイントは何なのかをまとめることで、一つでも多くの企業を支援したい。そういう想いで整理をしました。ぜひ、ご活用いただければ幸いです。すべての人が活躍するための、エンゲージメントを。

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