コネクシオ株式会社様の事例紹介

変化・チャレンジするために、経営層を巻き込んだ組織風土改革 ~エンゲージメントを高め、双方に貢献し成長し合う組織をつくる~

コネクシオ株式会社様
課題・これまで、経営戦略は常に話し合っていますが、組織風土についてみんなで語り合う機会が不足していた
・サーベイの導入から時間が経ち改めてサーベイを実施するだけで、本当にエンゲージメントの重要性を理解してもらっているのか、全社一丸となった取り組みになっているのかを振り返り、どうせやるなら経営層を巻き込んで目的をしっかり共有し、全社の取り組みとしてエンゲージメント向上を目指した組織づくりを行っていくべきだと捉え、組織活性化コンサルティングの実施に至った
効果・経営の方自身もワンアクションを通じて実際に行動に移されていることを肌で感じている ・社長からは、定期的にこのような機会を持つ必要があるとおっしゃっていただけた
・「対話」や「心理的安全性」の重要性に気づき、1on1の実施が増えた ・事務局に個別相談が入るようになった

[サービス]
組織活性化コンサルティング

[対象]
経営(社長・役員)・管理職

[実施概要]
2019年からwevoxを導入し、2021年度から本格的に人事戦略にエンゲージメント向上の方針を追加。一貫したテーマとして「風通しの良い組織」を目指し、風土面をより向上させることを目的に、経営層を巻き込んだ組織活性化コンサルティングを実施。まずは、経営層(社長・役員)へのインタビューを行い3月と5月にワークショップを実施。その後、管理職(約200名)に対し、組織風土向上に向けたワークショップ(計10回)を実施。

[スピーカー]
コネクシオ株式会社
人財開発部
部長
三宅 由夏様 (※写真右上)

人財開発部
部長代行
頼信 圭一様 (※写真上中央)

コネクシオカレッジ推進一課
課長
瀧 陽一郎様 (※写真左上)

コネクシオカレッジ推進一課
前山 佳子様 (※写真右下)

株式会社NEWONE
マネジャー
大槻 美幸 (※写真左下)

― これまでwevoxの導入などエンゲージメント向上施策を実施されてきましたが、今回、改めて組織活性化コンサルティングに踏み切った背景や人事としての想いについて教えてください。

三宅様:弊社では、過去より従業員の意識調査を導入し、当初は処遇や環境面を中心に改善を行ってまいりました。一時的な効果はあったものの、従業員がやりがいを持って働いているのか、この会社で働き続けたいと思っているのかがわからない部分もありエンゲージメントサーベイのwevoxを導入しました。導入から時間が経ち改めてサーベイを実施するだけで、本当にエンゲージメントの重要性を理解してもらっているのか、全社一丸となった取り組みになっているのかを振り返りました。そこで、どうせやるなら経営層を巻き込んで目的をしっかり共有し、全社の取り組みとしてエンゲージメント向上を目指した組織づくりを行っていきたいと思い、組織活性化コンサルティングに踏み切りました。また、めまぐるしく変化する社会環境のなか、一人ひとりが主体的に働ける職場づくりについて改めて考え直し、今一度真剣に組織づくりに注力していきたいという想いのもと今回の取り組みをスタートしました。

頼信様:私は以前営業部にいたのですが、組織風土として上意下達の傾向はありましたが業界自体が追い風だったこともありうまくまわっていました。しかし、コロナ禍になる前から携帯電話の低料金化の動きもあり、いずれ厳しい状況になることや、これまでのやり方ではうまくいかなくなることは目に見えていました。漠然とした組織への課題感がある中、人財開発部に異動になり何を事実ベースとして現状の組織風土を変えていけば良いのかを考えました。そこで、既に導入しているエンゲージメントサーベイを定量の数値として、数値から見える課題を経営層に提言し共通認識を持ったうえで、全社的な組織改革に踏み切りました。

経営戦略を遂行するためにも、組織づくりは必須である

― まずは、経営層である社長、役員へのインタビューを行い、ワークショップを実施させていただきましたが、改めて見えてきた方向性や課題はありましたか?実施してみた率直なご感想について教えてください。

三宅様:これまで、組織風土ついてみんなで語り合う機会が不足していたと感じています。経営層の方々からは、組織づくりや風土について、こんなに真剣に語ったことがなかったという声をたくさんいただきました。経営戦略は常に話し合っていますが、組織戦略についてここまでしっかり話し合う機会がなかったのだと思います。ワークショップでは、上林さんに上手くファシリテートいただきながら、役員同士のつながりや風土について感じていることを率直に時間ギリギリまで本当に沢山のことを議論いただきました。トップ層にいる自分達も変わっていかなければならないという思いや、具体的なアクション案も多く伺うことができ非常に有意義な機会となりました。
また、人財開発部として社長を含めた経営層を巻き込んだことは、組織づくりにおいて一石を投じることができたと感じます。社長からは、定期的にこのような機会を持つ必要があるとおっしゃっていただけました。

頼信様:会社を良くしていきたいという共通の想いがありながらも、組織の現状をどう見ているのかという点では、約20名の経営層同士でも全然違っていることがわかりました。総論賛成各論反対という実態が浮き彫りとなり、各々違いがあることを認識できたことは、大きな気づきにつながったと思いました。この数年で、エンゲージメントが数値で可視化されるようになり、明確で効果的な経営戦略を描き落とし込むだけでは、なかなか数値が上がらない実態もあり、経営戦略を遂行していくためにもエンゲージメントを高めていく必要があることが、共通認識として持てたと思います。経営層から発信されるメッセージにエンゲージメントというキーワードが使われるようになり、組織づくりにおける具体的なアクションが開始されています。

瀧様:三宅と頼信がお伝えした通りで、経営の方自身もワンアクションを通じて実際に行動に移されていることを肌で感じています。経営層を巻き込んだワークショップをやって本当に良かったと思っています。それを今後どう継続しハンドリングしていくのかは、我々事務局が考えていくことかなと思っています。

前山様:その後に実施したエンゲージメントサーベイで、管理職層がどんなアクションをしているかという任意の質問を追加したのですが、何もアクションをしていない部署がなくなっています。組織づくりに向けて経営層を筆頭に大きく動きだしていること実感しています。

「対話」や「心理的安全性」の重要性に気づき、1on1の実施が増えた

― 経営層のワークショップを踏まえ、管理職に対しても組織活性化のワークショップを実施させていただきましたが、実施してみてのご感想や何か新たに取り組まれたことがあれば教えてください。

三宅様:200名いる管理職のうち多くの方に共感いただき、エンゲージメント向上における何等かの行動を起こしてもらっています。ワークショップでは、管理職の強みを伸ばすファシリテートをしていただき納得感がある非常に良い内容でした。管理職の方同士も他部門の方と組織風土について話す機会が少ないこともあり、他部門の取り組みや考えを聞けたことがとても参考になったという声が多くあがっていました。そういう意味で、管理職にとっても有意義な機会を提供できたと思いました。

頼信様:管理職層でも、組織の見え方や現状の捉え方は、それぞれ違いがあると感じました。実は管理職の一つ下の階層にあたる監督職層に対して、同じメッセージを伝え共通言語をつくるために内製でワークショップを実施しました。そこで、心理的安全性が高いかを尋ねたところ、9割が「あまり高くない」と回答しました。ここで初めて、心理的安全性のある状態について共通認識を持ったうえで、ギャップがあることが見えてきました。現場のリアルな情報が集約されるのは、直接現場を見ている監督職です。この層が、心理的安全性があまり高くないと感じているのであればそれが実態だと捉えています。この認識のギャップを埋めていかないと、風通しの良い組織をつくるというミッションは遂行できませんので、組織風土を変えていくためには、まずはここが肝だと思いました。

瀧様:私は評価・昇格も運用しているのですが、管理職のワークショップと同じタイミングで評価・昇格についてのアンケートを実施しました。そこで、「1on1を実施していますか」という質問を設けたのですが、3分の2の管理職・監督者が実施していることがわかりました。事務局から1on1の必要性は発信していましたが、必ずやってくださいという指示は出しておりませんでした。ワークショップを受けて、対話や心理的安全性の重要性に気づき、1on1を実施いただけたのかなと思いました。一方で、エンゲージメントサーベイの結果を分析する中で、部門長や部長は結果を元にアクションを起こしているのですが、課長や課長代行の層になると、アクションしていない人の割合が増える傾向が見てえてきました。アクションを起こせていない層に対して、今後何をしていくべきかという新たな課題も見えてきました。

前山様:先程、頼信がお伝えしましたが、管理職は心理的安全性が高いと思っていたが、監督職はそう思っていなかったということについて、部署より相談を頂き心理的安全性について管理職と監督職とで合同ワークショップを実施しました。そこで、双方が心理的安全性のある状態とはどういう状態か共通認識を持って話し合う機会を設けたのですが、管理職にとっては非常に大きな気づきがあったようで、我々事務局に個別相談が入るようになりました。

― 経営、管理職層と数か月に渡ってワークショップやコンサルティングを実施しましたが、組織全体を見た時に、以前と変わってきたと思うことや印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

頼信様:社長がマネジメントのメッセージとして、変化・チャレンジをしていくために風通しの良い組織づくりが必要ということをブレることなく一貫して伝えています。それを受けて、ミドル層(管理職・監督職)が風通しを良くするためのアクションを起こしていることが見られるようになっています。また、先日次期監督職になる方々の発表会があったのですが、そこでも「組織風土」や「関係性」といったキーワードが多くあがっていたので、徐々に浸透してきていると感じています。大きな成果というよりは、まずはスモールステップを着実に踏み出したという感覚です。

三宅様:トップメッセージや管理職の行動に変化が現れていると感じています。先程、瀧や前山がお伝えしたように、1on1の実施が増え、我々に相談が来るようになったのは意識が高まり行動を起こしている結果だと思っています。

瀧様:エンゲージメントや組織風土について興味関心が高まっていると感じています。具体的な数値をお伝えすると、店長以上に閲覧権限を付与しているwevoxへのアクセス率が、1年前と比較して2倍近く増え、直近では80%の方が閲覧しています。事務局として優良事例をつくったり動画を配信したりとwevoxサイトへの誘導を行ってきたこともありますが、トップ層を含めたワークショップなど全社の取り組みを行ってきた結果だと捉えています。

前山様:エンゲージメントサーベイの観点から見ると、役職者を中心に活動されている部署のメンバーのコメントを見ると、「モチベーションが上がるようになった」「職場の風土が変わってきた」という声が出始めています。もちろん、全体の一部ではありますが変化が見られる職場が複数出てきています。

「共通言語」をつくり、「継続」することが風土改革への第一歩

― 組織風土を変えていくためには、何が一番大事なポイントだと思われましたか?

頼信様:たくさんあるのですが、その中でも一つ上げるとしたら「共通言語」をつくることです。共通言語があると認識もそろってきますし、意見が出やすくなります。そのうえで、トップからのメッセージ発信やミドル層のアクションに一貫性が出てきて、エンゲージメントを高めるための1on1など、具体的なアクションが複数出てくると思っています。

三宅様:管理職がメンバーに与える影響は大きいですので、まずは管理職から変化していくことが一番のポイントだと思っています。そのためにも、経営層を巻き込むことは重要なポイントです。また、全社が一気にガラッと変わることはあり得ませんので、好事例をつくったり、協力者を増やし成果を上げていくこと、そういった方々をしっかりサポートしていくことで、全社へ横展開していくことが必要だと思います。その際に、スピード感を持って実施していくことも大事です。また、管理職が組織づくりに取り組む際には、メンバーがやらされ感にならないように、自分達で会社をつくっていくという意識を大切にすることがポイントだと思います。

瀧様:私は2つありまして、1つ目は経営層が継続して発信を続づけることが大事だと思っています。現在、不定期ではあるものの月1回程度はトップメッセージが発信され、その中で組織風土の改革について触れているので再現性のある活動につながると感じています。2つ目は、現場の一般社員まで、この活動の目的や意味が理解されることが非常に重要なポイントだと思っています。現在、次年度に向けて裾野を広げるために、何をしていくべきかを話し合っているところです。

前山様:皆がお伝えした通りで、経営層や管理職から降りてきたものを、現場の社員が受け身で捉えてしまうとやらされ感になってしまうので、一人ひとりが目的をしっかり理解したうえで取り組んでいくことが大事です。我々も今後取り組んでいくところであり、やらされ感にならないよう工夫していく必要があると思っています。

― 組織改革に取り組みたいと思っている他社の人事様が大勢いると思うのですが、経営層を巻き込む秘訣や難しさがあれば教えてください。

三宅様:経営陣がもっと積極的にやってくれたらいいのにという声は、他社の人事様からもよくお聞きしますが、動いてもらえないなら、動いてもらえるような働きかけをするしかないと思っています。組織の現状をしっかり説明し組織改革の必要性をお伝えすれば、大概の経営層は動いてくれると思います。我々としては、エンゲージメントサーベイの数値を指し示し組織風土を変えていく必要性や、現場の社員の声を届けたいという強い意志を持って経営層に話をしました。

頼信様:組織風土の実態として、サーベイの数値という目を逸らせない事実があるからこそ、拒否される難しさもあると思っています。内製で自分達だけでやろうしたら非常に難しかったと思います。特に経営層に対しては、NEWONEさんのような第三者の立場から提言やアドバイスを受けることが大事です。そうすることで、経営層の方自身の納得度合いも全く変わってくると思いました。

― 組織コンサルティングをNEWONEにお任せ頂いた理由、決め手について教えてください。

三宅様:先程、頼信がお伝えしましたが、経営層を巻き込んだ組織改革をするに当たって、社内の人間では成しえない部分もあります。NEWONEさんには、以前管理職層に対して、wevoxを活用したマネジメント研修を短い時間で納得度高く実施いただいた実績がありました。また、弊社の現状もよくご理解いただいており、他の業界や組織に数多くのコンサルティングの実績もありましたので、今回もぜひお願いしたいと思いました。

頼信様:他社のコンサルティング会社も検討したのですが、エンゲージメントサーベイでのコンサル実績があること、wevoxの分析も非常に長けていたのでNEWONEさんにご依頼しました。

やらされ感ではなく、双方に貢献し成長し合う組織をつくる

― 今後の組織づくりにおいて、取り組んでいきたいことや注力していきたいことについて教えてください。

三宅様:経営層、管理職層に対して取り組んできましたので、今後は一般社員に対して組織づくりにおいての想いや課題を考えてもらう機会を提供したいと考えています。やらされ感ではなく、一人ひとりができることを考えてもらうことで双方に貢献し合い、成長し合う組織づくりを行っていきたいと思っています。また、個々のキャリア開発にも取り組んでいきたいと考えています。

頼信様:今回の取り組みを継続することに注力したいと思っています。トップのメッセージ発信や意見交換の機会をつくること、ミドル層、監督職層においても温度感を下げずに、良い組織風土をつくっていくということが常にそばにあるような、そういう認識を持ち続けてもらえるように活動していきたいと思っています。

瀧様:現場の社員に浸透する取り組みを行っていきたいです。多くの社員にやりがいを感じてもらいたいと思っていますので、仕事を通じて成長する喜びや自分のありたい姿を明確にすることなどを支援していきたいと思っています。また、エンゲージメントサーベイの数値の分析や、他の調査(ストレスチェックやコンプライアンス)との相関なども分析して、数値として見えてくる現状を観測していきたいと思っています。

前山様:私も皆と同様、この取り組みの継続と現場の社員まで裾野を広げるということに注力して、引き続き組織風土の改革に取り組んでいきたいと思っています。

― 本日はお忙しい中、貴重はお話をありがとうございました。引き続きご支援してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

プログラムの全体像(一部抜粋)

◆受講者アンケート(一部抜粋)

◎経営層ワークショップ
・風通しには、上下だけでなく横の関係も重要なこと、意見が出る/吸い上げる姿勢と仕組みの大切さ、雑談をする機会の重要性に気づきました
・こういった場を通じて、まだまだコミュニケーションが向上する幅があることを改めて認識しました
・意見交換の中で、多くの意見から考えることができた
・当たり前であるが上位層からの変化が大事であることと、まずはやってみよう、という気づきがありました

◎管理職層ワークショップ
・風通しを良くする為には、自らが当事者意識を持って動かないといけないことを認識できた
・研修にありがちなあるべき論ではなく、有効なアクションについてご説明いただき非常に参考になりました
・研修参加者の中でもそれぞれの思い、意見があることが確認できました
・「心理的安全性」とは何かということに、改めて学びがありました
・久しぶりに他部門の人と話す機会があって、全社視点に立ち返る良い機会であった
・信用貯金の考え方、相手の価値観に合わせたマネジメント(こちらが変わる)は重要だと思った
・適切なマネジメントをするため、十人十色の価値観を持つメンバーを理解し自分も理解してもらうことはとても大切だと思った

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NEWONE担当からの一言

  • 大槻 美幸(Otsuki Miyuki)

    大槻 美幸(Otsuki Miyuki)

    コメント

    コンサルティング支援をさせていただく際に、社長や役員の皆様お一人お一人にインタビューをさせていただき、会社に対する想いや目指す方向性は同じで、「変化・チャレンジをしていくために風通しの良い組織づくり」というメッセージを一貫して企画・設計させていただきました。それを受けて、ミドル層(管理職・監督職)職場のメンバー一人一人が思い思いに風通しを良くするためのアクションを掲げる施策を生み出すことができました。それそれが変化・チャレンジを踏み出すきっかけになれたのではと思います。このような貴重な機会をご一緒させていただき、誠に有難うございました。