*イノベーションは一言で言い換えると何だと思いますか?
*皆さんの組織、職場はイノベーションが起きていますか?
NEWONE小野寺です。
先日ダイバーシティについて考えたコラムのなかで、「ダイバーシティの狙いの一つはイノベーション」と書きました。
クライアントさんからも「イノベーティブな人材を育成したい」、「イノベーションを起こすプロジェクトを立ち上げたい」などイノベーションについてのお声を聴くことが多くなってきました。
では、イノベーションとはなんでしょうか。
iPhoneやクラウドファンディングのような「なんだか革新的な商品・サービス」を生み出すこと、とばっくりと理解できているものの、「結局何をすることがイノベーションなの?」と聞かれたら、ちょっと答えられない、という方は少なくないのではないでしょうか。
K.I.T.虎ノ門大学院主任教授の三谷宏治氏は、以下のようにイノベーションについて述べています。
実現困難なトレードオフを乗り越えることを、われわれはイノベーションと呼ぶ
参考:http://diamond.jp/articles/-/34183
トレードオフとは、「何かを捨てて、何かを得ること」といった意味ですが、それを乗り越えるとはどういうことでしょうか。
ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター氏は「戦略とは捨てることである」
と言いました。
コストリーダーシップか差別化か、クオリティーか手軽さか、など経営戦略の大家が捨てて勝つ戦略、つまり「トレードオフ」の手法を提示し、多くの企業が外部環境の変化や自社の強みに合わせて、トレードオフを行い、素晴らしい商品・サービスを世に展開してきました。
何らかの戦略立案に関わったことのある方であれば、トレードオフは当たり前のことに思わるかもしれません。
しかし、トレードオフはあくまで、「何かを捨てて、何かを得ること」です。
すなわち、トレードオフで生まれた商品・サービスは視点を変えると、「解決できていない課題」があるということではないでしょうか。
例えば、「瞬足」という靴をご存知でしょうか。
この靴は、全速力でコーナーを走り抜けることを可能にした商品と言われています。
すなわち、「全速力で走る」ということと「コーナーを転ばず走る」という、これまで二律背反と考えられていた事象を乗り越えたわけです。
三谷さんの言う「実現困難なトレードオフを乗り越えること」とは、二律背反な事象を乗り越え、「捨てずに、両方取る」ということであり、両方取るから「革新的」であり、「イノベーション」と言われるのだと思います。
イノベーションを起こすためにどうすれば良いか。三谷さんは以下のように言っています。
まずは、トレードオフ(みんながガマンしていること)を見つけましょう。
イノベーションは、(実現不可能に見える)二律背反の発見と解消から
参考:http://diamond.jp/articles/-/34183
皆さんの周りに、一見実現不可能に見えて、諦めている商品・サービスはありませんか?
もしかしたらそれが、イノベーションの種かもしれません。
また、自分自身に対しても、葛藤の中で諦めてしまっていることはないですか?
ファーストリテイリング柳井 正氏は以下のように言っています
矛盾と戦ってなんとか解決策を見出す。そこにプロとしての付加価値が生まれる
(引用元)経営者になるためのノート/【著】柳井正
二律背反な事象を乗り越え、イノベーションを起こす力は、常に自身が抱える矛盾と戦う中で高めることが出来るのかもしれません。