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エンゲージメントの高い会社と低い会社

エンゲージメントの高い会社と低い会社

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※弊社から発行しました以下「小冊子」ですが、内容の一部を抜粋し、数回に渡りご案内させていただきます。


「エンゲージメント」とは、どのようなものでしょうか。

我々はエンゲージメントを組織に対する自発的な貢献意欲を持って、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態」と定義していますが、この文言だけでは、いったいどんな状態なのか、具体的にイメージしにくいところがあるかと思います。

そこで、エンゲージメントのイメージをつかんでいただくために、まずはエンゲージメントの高い状態にあるX社のAさんとエンゲージメントの低い状態にあるY社のBさんの2つのケースをお読みください? 。

<X社Aさんの場合>

大手IT企業のX社で働くAさんは、5年前に元上司から「成長を感じられるいい会社だからぜひ来ないか」と誘われて、中途入社し、X社が昨年から始めた新サービスの新規顧客獲得というミッションを担う営業部門のチームリーダーを任されている。

時代のニーズにマッチした新サービスは急成長し、既存事業と並ぶX社の収益の柱となりつつあった。

そうした中、Aさんは、ある違和感を抱えていた。

それは、X社の「行動指針」が新サービスの目指すものとが結びつかないことだった。
「行動指針」は10年以上前にX社設立時につくられたもので、当時の事業内容に合わせて作られたものであったため、新サービスの方向性とはズレが生じてきてしまっていたのだ。

このことは、Aさんのチーム内でも度々話題となり、「現場で意思決定が迫られる際、今の行動指針では判断軸とならない」
「現場に即した行動指針があれば、さらに新サービス拡大につながるのに」といった不満も上がっていた。

Aさんがチームメンバーを集め、話し合ったところ、「我々の手で、新しい行動指針をつくればいいのではないか」という意見が出た。

そこでAさんは、X社の「行動指針」がつくられた背景やそこに込められた思いを関係者に確認したうえで、社員が社長に直接提言ができる「社長メール」システムを使って、「今の行動指針は実情に即したものにするべく、見直す時期に来ている。
新たな行動指針を検討する部署横断的なプロジェクトを立ち上げたい」と直訴。

社長、経営幹部らはそれを聞き入れ、Aさんは、自ら新たな「行動指針」を作成する社内プロジェクトを立ち上げることになった。

<Y社のBさんの場合>

大手SI企業Y社で働いているBさんは、新卒入社8年目。人事部の採用チームのリーダーを任されている。
取引先には大企業が多く、多くの案件を抱えるY社だが、優秀なエンジニアが引き抜きにあうなど離職者も多く、常に募集をかけている状況だ。

現場からは「人が足りない。人事は何をやっているんだ」といった声が頻繁に上がり、Bさんは採用担当者として多忙を極めていた。
そうした中、Bさんは、ある違和感を抱えていた。

製品や取扱サービスが複雑化し、細分化されてきているためか、部署間の連携ができておらず、社内が分断されていることだ。

「商品が良くない」「販売力が弱い」など他部署を責めるような発言も多く聞かれ、以前のように互いの強みを持ち寄り、協働する風土が失われつつあるように感じていた。

こうした指摘は、社内各所から寄せられており、Bさんも深刻な事態だと感じていた。

そこで、上司である人事部長に「採用担当としては精一杯やっていますが、離職者は後を絶ちません。
組織がこんな状態で優秀な人を採用しろと言われても無理です。
他社では組織の風土を変えるため、経営トップが旗振り役となって組織開発を行っているところもあります。会社でそうした取り組みをやってもらわない限り、今後も採用は難しいです」と訴えた。

しかしながら、人事部長は「組織開発ねえ。気持ちはわかるけど、うちのトップがそんなことをやるはずがないだろう。人事は粛々と自分の仕事をこなすのみだ」との返答だった。

数か月たった今も、新しい動きはなく、「この会社は変われない」と感じたBさんは今、転職を考えている。

いかがでしょうか。
X社のAさんとY社のBさん、二人の違いはどこにあるでしょうか。

二人が置かれている状況は異なっていますが、AさんもBさんも社内の課題に直面し、「どうにかしたい」「会社を良くしたい」という思いで、行動を起こしているところは同じです。

しかし、二人の取った行動とその結果は大きく異なっています。

Aさんは、以前からあった「行動指針」が実情に合っていないことに違和感を持ち、チームメンバーと話し合い、現場に即した「行動指針」を作ろうと、自らプロジェクトを立ち上げます。

Bさんは、以前のような助け合う組織風土が失われていることに危機感を持ち、それを上司に訴えますが、取り合ってもらえず、その後何も変化がないことから、会社に対して失望し、転職を考えるまでになっています

このX社のAさんのように、単に現状の改善を訴えるだけでなく、自ら行動を起こしている状態は、まさに「エンゲージメントの高い状態」すなわち、「組織に対する自発的な貢献意欲を持って、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態」と言えます。

ではなぜ、AさんとBさんの「エンゲージメント」に差が出たのでしょうか。

これは、二人の資質に大きな差があったというよりは、X社とY社の環境に大きな違いがあったように見えます。

X社では、チーム内での話し合いで活発に意見交換がされ、社長や経営層にも率直に意見できるなど、風通しの良さを感じます。

Aさんも自分の職場を良くしたいと、主体的に課題解決に取り組んでいます。
「いい会社だから」と元上司から誘われて入社しているところから、口コミでヤル気のある社員が集まっている様子がうかがえます。

一方、Y社では、組織が抱える課題に気づいている人はいるものの、人手不足を採用担当者のせいにしたり、部署間の連携不足を他部署のせいにしたりするなど、他責的な考え方をする人が多いようです。

上司も問題には気づいているものの、自分にはどうにもできない、経営も変わらないだろうと最初から諦めてしまっています。

Bさん自身も、課題解決に主体的に動こうという気はなく、「この会社は変われない」と会社に失望し、転職を考え始めたようです。

Aさんは、単にモチベーションの高い優秀な社員、というだけではありません。
X社が、Aさんの行動を肯定的に受け止め、貢献意欲を引き出し、能力の発揮を後押しすることで、Aさんのエンゲージメントを高めているということを理解していただけるかと思います。

X社とY社、どちらの会社で働きたいですか?と聞かれたら、恐らくみなさんX社とおっしゃるのではないでしょうか。

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次回は、エンゲージメントとモチベーションの違いについてお伝えします。

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