
(株)NEWONEの上林です。
先日、日本の人事部主催の「HRカンファレンス2018 -春-」にて、
「働き方改革」で変わる組織のあり方
−新時代の管理職がおさえるべき3つのポイント−
http://hr-conference.jp/201805/interview_detl.php?anc=E3
と題して、講演を行いました。
企業にとって、「働き方改革」の意味は何か?
について考える機会とさせていただきましたが、
実施する中で、改めて、このような「働き方改革」の機会に対して、
受け身的に対応するのではなく、企業としてのメリットを考えることが大事だと感じ、
変わりにくい組織の実態と、「働き方改革」をもとに組織を変える
という観点から、企業にとっての意味をまとめて行きたいと思います。
わかっていても、なかなか変えられない企業組織
「管理職の育成スタイルを変えていく必要がある」
企業からこのような人材育成のオーダーは、何年も受けています。
「ゆとり世代」「イマドキの若手」「コーチング」「1on1」「経験学習サイクル」など様々な言葉が出る中で、
そういったワードと共に、管理職の育成手法やスタンスを転換してきました。
一つひとつの打ち手において、管理職は少しずつ変化を見せていますが、
企業内でガラッと変わったかというと、そうは言い切れないことが多いです。
また、組織開発の話をいただいて、
管理職を中心にアプローチをさせていただくこともありますが、トップを含めた経営層や、組織全体として意識が変わっていかないと、なかなか組織は変わらないなと感じています。
変革には抵抗がつきもの。
人はもともと「変わる」ことを嫌うという説もある通り、簡単には変わらないものです。
だからこそ、トップのコミットメントが大切ですし、
また、それに加えて、我々のようなコンサルティング会社にお願いして、「その会社が言っているから」という位置づけ(外的要因)にして、組織を変えようとする企業は多いと思います。
働き方改革が企業にもたらしたインパクト
貴社では、「働き方改革」をなぜ行うのですか?と問うと、
・生産年齢人口の低下という環境下における人材確保
・残業時間削減による定着率の向上
・こういった施策からの採用ブランドの向上
・多様な人を採用することからのイノベーション
など、様々言われると思います。
そういったメリットを享受するために、
一つひとつの施策を行う前提として、「働き方改革」が企業戦略にどのようにインパクトを与えているのか、について改めて考えたいと思います。
我々が感じることとして、
今まで、企業で戦略立案・遂行する際は、
市場や顧客をもとにした戦略立案を行い、それに適した人材・組織を作り、施策を実行するという流れが一般的な考え方であり、今回そこに大きな変化が起こったことだと思います。
外部環境を見て戦略を練り、組織・人材、及び各種戦術に落とし込む流れの中で、途中の組織・人材面に対して、生産年齢人口の低下や法改正等の「働き方改革」というインパクトが起こったこと。
そして、そのインパクトに対して、元の外部環境含めた経営戦略に戻って考える必要があるということ。
それが大きな変化であり、大事な意味だと思っています。
働き方改革の施策を行う際、企業(自社)を考える機会に
例えば、「労働時間削減」という施策も、
ある企業が行って生産性が上がったり、イノベーションが起こったりして成功したという事例があったとしても、他の企業に適応すると同じ効果があるとは言えません。
また、「在宅・リモートワーク」とう施策も、
ある企業では生産性が上がったが、別の企業では、さぼることも多く、企業として上手くいかない、ということもあります。
同じ労働時間削減でも、他社には無いユニークな競争力がある企業では上手くいくが、そうではない企業では時間削減分売上が下がってしまう。リモートワークも、会社に対するエンゲージメントが高ければ効果を発揮しますが、低い状態では、逆効果になると思います。
すなわち、ただ施策を行えば良いのではなく、
自社の現状はどのような状況かを捉えることが重要ですし、
その上で、自社の競争力(エンゲージメントや商品・サービスの独自性等)を高めていくことが、前提として大事になってきます。
企業内の社員は、そういった意識になっているのでしょうか。
働き方改革を企業のメリットに
企業を変革するために、「外的なもの」を利用することは多い中、
この「働き方改革」は、企業にとって外的なインパクトです。
であるとするならば、この「働き方改革」を材料に、
企業が、自社の競争力を磨く機会にしていくことが大事ではないでしょうか。
企業内にいる社員の皆様が、当事者意識をもって自社の競争力は何だろうか?と考えるようになると、組織は強くなるもの。
「働き方改革」とは、企業をそういった状態にするためのチャンスなのではないかと思っています。
そのような状態になるために、我々としても、各企業様に真摯にご支援させていただければと思っております。
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■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)
大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員〜管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員〜経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年7月、「和×人材育成」をコンセプトにした和の大学株式会社を設立。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、生産性向上やイノベーションなどを支援する株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー