働き方改革PJTを終えて思う組織変革のポイント

こんにちは。NEWONEの坂本です。
昨年9月から、ある企業様と半年間、働き方改革PJTをご一緒させて頂きました。
全国の部支店長やグループ長クラスの方々が、働き方改革推進委員として働き方改革の旗振り役を担っていくPJTです。半年間並走させていただき、「働き方改革」という文脈を超え、「組織変革」のポイントについて考えるきっかけとなりました。

1.変革の担い手が「目的/ゴール」を正確に理解していること


組織を変えるうえで、何のためにするのかという「目的」や、どこを目指すのかといった「ゴール」を腹落ちしてもらうこと以上に重要なことは無いというのが、最も痛感したポイントです。

委員の皆様には半年間、毎月のアクションプランの立案とその振り返りが課されました。他にも数か月に一度の特別課題や、近くの部支店ごとに集まり互いの経過報告をし合う分科会を行うといったタスクも並行してあり、日々の業務で忙しい中で、ヘビーなことを要求されていると感じた人も多かったはずです。

実際、PJTを始めて数か月経ったころ、「もう、何をしたらよいのか分からない」「現場でできる限りのことをやった」という声が出てきました。

そのような状況でも、モチベーションを失わず、新しい施策に取り組み続け、成果を上げていった支店もありました。
その違いは一体何なのか。

それは旗振り役である委員が、本PJTの目的を正確に理解し、自分の言葉で語れるようになっていたかどうか、でした。

業務効率化や時間外労働の削減の先にある、「働きがい」やESの向上について自身の持論を持っているところは、常に新しい取り組みをし続け、成果を出す結果となりました。

よく「組織開発」においては、ドゥアブル(何をしているか)の視点以上に、「どのような職場にしていきたいか、何をもたらしたいか」というデリバラブル(提供価値)の視点が大切であると言われます。
組織開発の担い手、今回で言うと働き方改革推進委員の1人1人が、「フリーアドレスを導入する」ではなく、「様々な人とコミュニケーションを取り、互いにシナジーを起こし合える職場にする」と考えられているかどうかが、自分で様々な工夫をしながら取り組み続けられるかに大きく影響するのだと感じました。

組織変革にはどうしても時間がかかります。だからこそ、短期目線ではなく長期目線で、「何のために、何を目指してやるのか」を1人1人が持っておくことが求められるのだと思います。

2.企画側がゴールと進捗(成果)を発信し続けること


組織変革の目的や目指す姿に関しては、変革の担い手だけでなく、企画側も常に発信し続けることが重要であるとも感じました。日々忙しく働いていると、どうしても目の前のことにかかりきりになってしまう中、客観的な立場からPJTの未来について語り続けることが必要です。
今回のPJTでも、働き方改革制度の導入が目的ではなく、その先にある働きがいやESの向上が目的であるという旨は、繰り返し委員の皆様に発信し続けられました。また、PJTの終盤には、人事の方からPJTの成果報告の時間が設けられました。

「日々の取り組みは何のために行っていて、それが推進委員の努力によってどれほど実現されてきたのか」、「この努力がどのような形で還元されるのか」、きちんと説明し取り組みの過程を承認するプロセスを踏むことが、担い手のモチベーションを維持するのに重要です。

施策を行った先に何があるのか見えないと、人はモチベーションを失い、取り組み自体に疲弊してしまいます。
また、人間は「できている」ことよりも「できていない」ところに目が向きがちなところがあります。「できている」部分のみを承認する機会を意図的に設けておくことが、長期的なPJTを円滑に進めるうえで効果的だと感じました。

組織の変化には、臨界点があり、ある一点を超えるとそこからグッと変化が起こると言われていますが、その臨界点を突破するためには、小さな成果を周囲に周知し、「上手くいっているんだ」という雰囲気を作り出すこと以外に無いのかもしれません。

3.担い手の自主性と企画側の強制力のバランス


委員の皆様には、メンバーの「働きやすさ・働きがい」を向上するにはどうしたらよいかを考え続けて頂く期間でしたが、それは「自分にとっての働きやすさ・働きがいとは何なのか」に向き合う期間とも言い換えられます。

「働きがいなんて考えたことない」という委員よりも、「自分なりの働きがいを何となく言葉にすることができる」委員の方が、当然ですが成果を上げていきました。組織が変わるということは、結局はその組織で働く1人1人の意識や、メンバー同士の関係性が変わるということです。
PJTを通じて、担い手自身が自分の働き方を内省し、日々試行錯誤をすることでしか、前に進んでいかないなと感じました。

ところで、ファシリテーターから、「自分やメンバーにとっての働きがいとは何か」を問われたときの委員の方の発言で印象的だったものに以下のような言葉があります。

「部署内で席替えをしてみようと提案し、それが採用された。なにか自分から提案をしてそれが実現できるということが働きがいにつながるのではないか。」

「働きがい」とは、業務内容や給料といったハードな面だけによるものではなく、自分で主体的に動いて何らかのリアクションを得ることでも高めることができるということを改めて感じました。そうした意味では、今回のように管理職が主体となって改革を進めていくPJT自体が、この会社における「働きがい」向上の一側面を担っていると言っても過言ではないかもしれません。

しかし、同時にこうした取り組みを成功させるにはある種の強制力も有用だとも感じました。
この会社では元来、「平等さ」「均一さ」が求められる風土があり、働き方を自由に選択するといった考えが当初はまったく受け入れられず、それこそ重箱の隅をつつくような指摘が寄せられる中スタートしたものの、いざPJTを進めていくと「意外とやっていける」という雰囲気に一変しました。

最初の抵抗感が強くても、ある程度パワーをかけて施策に取り組み、上手くいっているところをアピールしていくと、ガラッと感じ方が変わるものなんだということが発見でした。(もちろん、会社の風土にもよると思いますが)

人間はつい変化を嫌い、なにか新しいことをするというと抵抗感を感じてしまう生き物です。ある種トップダウンで変革を率いていく姿勢と、現場がボトムアップで少しずつ変化をしていくことの両輪が大切なのではないかと思います。

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