管理職の意識変革のためにおさえるべきポイント

(株)NEWONEの上林です。
10~20年以内に、今の仕事の47%はAIなどに置き換わり、無くなると言われている昨今。
労働環境も大きく変わっています。そのような中、企業の人事様や経営の方々から、企業の中核を担う「管理職」の意識変革を行いたいという要望をとても多くいただきます。

管理職が変化せざるを得ない環境変化


生産年齢人口が右肩下がりする中、各社人材の獲得が重要な課題になっています。さらに転職市場が加速度的に流動化し、過去よりも簡単に移りやすくなった世の中。いかに社員が辞めずに定着化するかを企業課題としておく企業も多く、そういった依頼を受けることも年々増えています。

また、ゆとり世代、さとり世代という言葉もありましたが、良い悪いではなく、育ってきた環境が変わる中で、新たに働く人の労働観はどんどん変わってきています。上昇志向、上から言われたことを従う、組織に対する考え方など、上司にあたる管理職世代とはかなり大きな隔たりも見えます。

その上、昨今では、「働き方改革」「人生100年時代」「リカレント教育」など、多様な働き方の推奨や、個人の強み発揮、一つの会社に居続けることが前提ではない、メッセージも多数発信され、過去の管理職が持っていた労働観とは違う流れがあります。

そういった状況だからこそ、現在の環境変化に適合し、組織を強くしていくために、管理職の意識変革が最も必要だという結論に達して取り組んではいるものの、なかなか容易ではないという企業も多く見られます。

管理職の意識変革を妨げる3つのパターン


多くの管理職の方々と接する中で、外部環境や企業の方針の変化に伴い、自分自身も積極的に変化させていく人も一定数います。
そういう人ばかりだと企業も変革が楽なのですが、そうは言えない実態もあります。そこで、今まで年間数千人の管理職を見てきた中で、なかなか意識変革ができない状況、すなわち、妨げてしまうパターンと、企画サイドからのアプローチ方法を言語化してみたいと思います。

(1) 成功者としてのプライドがあり、自分は間違っていないというパターン

過去に成功体験を多く積んでいて、その状態での管理職経験が長い方に多く見られます。しかも、表面的には「変化しないとダメだよね」というような言葉を発しながら、心の奥では「今までのやり方が正しい」「最近の若者はなんだ」というような気持ちが残っている方が多いです。

そういった方々には、相手側(部下側)の立場を味わう経験をすることが大事です。例えば、受け身的な人材を育てる方法は何かを逆に考えてみる、自分が行った具体的な育成は相手側がどう感じていたのかのフィードバックをもらう、360度サーベイ等で自己認識と周りからの認識のギャップを直視する、などです。

年齢によっては、「今のやり方のまま定年まで逃げ切りたい」という感情が出る場合も多く、だからこそ、相手側の感情を理解することで、変革を促すことが重要です。

(2) 根本に育成に対する苦手知識があり、思わず虚勢を張るパターン

一見、(1)対して自信を持ち切れていないことが多くあります。上手くいっていないことを、「最近の若者は」「目標達成との兼ね合いで忙しい」という他責な発言で言い換えたりします。

そういった方々には、「昨今の育成は難しい」という立場で共感することが大事です(実際難しいですし)。その上で、その難しいメカニズムやどのような点を意識した方が良いかを具体的に伝えることと、それをもとに、ロールプレイや職場での対話などで、少し上手くいったことに対して、きちんと認めることが大事です。

現状の部下との関係が悪くなくても、新たに変えなければいけないことに対して具体的な行動イメージが湧かずに、悲観的になってしまっている場合も同様です。

(3) 会社や制度に対する不満があって、乗っかる気がないパターン

仕事は一生懸命行っているが、過去の自分への評価や、過去方針に対して不満があり、上司含め上層部に対して不満を持っているために、そもそも会社の指示に抵抗したいという人です。意識を変えた方が良い点に関しても、批判的な捉え方から「そもそも会社の方針が」というようなことを述べるパターンです。

そういった方々には、まずは何に対して不満を持っているのか理解できるくらいまで、現状を吐き出してもらうことが大事です。その上で、意識を変えることや新たな施策などが、本人にとってどのようなメリットがあるのかという点について何度も述べて、まずは少し取り組んでみるという状態を作ることが大事です。

管理職の意識変革をする上で、特におさえるべきポイント


(1)(2)(3)と進めるプロセスは変わってきますが、昨今の環境変化を踏まえたマネジメント面での意識変革において、特に押さえたいポイントとしては、

「自分がすべて部下よりも上である」
という意識からの脱却だと感じます。

時代の変化が速い中で、どんどん新しい知識や情報が入る中、管理職が部下よりも有能であり続けるのは難しい状況です。さらに、マネジメント領域がどんどん広がる中で、触れたことの無い領域をマネジメントする必要が多くあります。
また、IT含めた最近の先端技術やトレンドは、若者の方が圧倒的に詳しいということも多くあります。

そういった状況下であるにもかかわらず、無意識に「自分が上であらねばならない」と思っている管理職も多く、それが苦しみをもたらし、意識変革を妨げていくように感じます。

だからこそ、まずは、「自分がすべて部下よりも上である」からの脱却が、管理職自身としても大事であり、
それはまた、上層部含めた企業としても、その意識を持つことが大事です。

企業自体が「管理職は完璧にやろう」というスタンスだと変われないですから。

 


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員~管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員~経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年7月、「和×人材育成」をコンセプトにした和の大学株式会社を設立。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、生産性向上やイノベーションなどを支援する株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー

 

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