「合格点で満足する優等生たち」

(株)NEWONEの阿部です。
私はこの4月から社会人として働き始めた新入社員です。
働き始めてまだ1ヵ月も経っていないのですが、毎日お客様の新人研修の運営を行う中で、非常に多くの新入社員の方々を観察してきました。

そこで強く感じた今年の新入社員の傾向としては、
「自分の頭で考えて+αの行動を取ることが苦手な人が多い」ということです。
例えば、仕事を頼まれたときに、求められている質のアウトプットを期限内に出すことはできるが、自ら考えてそれ以上の質を追求する工夫ができる人は少ないということです。

しかし、それはどの年代でも同じことが言えるとは思いますが、特に新入社員の特徴だと感じたのは
「そのような自分の頭で考えていない状態に気づいていない人が多い」ことです。

本来自分で考える力を育むために発案された「ゆとり教育」真っ盛りの時代に小学校から大学卒業まで過ごしてきた私たちの世代ですが、その影響は全く受けず、常に合格点を取ることばかり意識して生きてきたので、合格点を取る、言われたことをやるということを無意識に目的化する癖がついている人が多いです。
そのため自分で考えているつもりでも無意識のうちに言われたことしかできない、しない状態に陥っているのです。

新人研修の中でもそのような場面を何度も目にしました。

課題を与えられ、それをこなして提出しにいく。
そして「ここが良くないからもっとこうしてほしい」とフィードバックを受けると、すぐに言われた箇所の修正をして再度提出しにいく。
そのような動きは仕事ぶりとしては合格点でしょう。

しかし、提出したものに対して
「なぜここはこうしたの?」や「なんのためにこれが必要なの?」などと
背景や目的を問われれば受講者は大抵困り果てます。

この課題の目的は何なのか、相手の求めているものは何か、
などをしっかり自分の頭で考えて課題に取り組むことができる人はほとんどいないです。

自分の頭で考えて行動することができないなんて社会人として致命的じゃないかと思う方も多いとは思いますが、
注目していただきたいのは「その状況が当たり前になっていて気づいていない」という部分です。

困り果てて終わりではなく、気付いていないものに対して、
しっかりと気づきを与えることができれば自分で考えない癖をなくすことができる。
そのような場面も新人研修の場で多く目の当たりにしました。

新人研修では
答えを教えるのではなく自分で考えることを促す場面が多くあります。
「なぜそのようにしたのか?」「この課題の目的は何か?」など問いかけを繰り返すことで受講者はただ課題をこなしていただけで自分の頭で考えていなかったことに気づき、一生懸命考えます。
そしてまた提出しにいくと違う部分で考える問いを与えられます。
それを繰り返すうちに、言われた部分じゃないとこに対しても自分で考え、先回りして行動することができるようになります。

「自分で考えていないことに気づくきっかけを与え、自分で考える時間を作らせる」
ということが非常に重要なことになります。

私が担当したクラスで、新人研修のファシリテーターの方が言っていた
非常に印象に残っている言葉があります。

「この時期にどれだけ待ってあげられるかが、彼らの一生のパフォーマンスを左右する」

という言葉です。
社会人になって間もないこの重要な時期に
正解をすぐに与えるのではなく、自分で考えるきっかけとなる問いを与え、
彼らが自分で考えきるまで待つ。
効率は悪いし、答えを言ったほうが楽な状況でも、どれだけ待ってあげることができるかが、新入社員が自分の頭で考える癖をつけることができるか否かに大きく影響するのです。

ここまで、かなり他人事で新入社員の傾向に関して述べさせてもらいましたが、
私たち新入社員は環境や機会のせいにするのではなく自らの力で成長をつかみ取っていく必要があることも強く実感しています。

自分の頭で考えられない傾向のある世代を代表して、まずは私自身が何事に置いても自分の頭で考え、行動していく意識を強く持っていきます。

また、自分が経験した「気づき」を提供できるような人材育成の
発展に寄与できるように今後も尽力していきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

 

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