「判断を保留」することで広がる世界

NEWONEの坂本です。 みなさんは、なにかを好きになるとき、 夢中になってすぐに好きになることが多いですか?それとも段々と好きになることが多いですか? 学生時代、クライミングジムでアルバイトをしていたのですが、 クライミングにはまる人は、初めて登ったときにクライミングの虜になる人と、 何度か通っていくうちに段々と好きになっていく人とがいました。 どちらかと言うと、運動センスがあって、クライミングがはじめのうちから”デキる”人は、 すぐにのめり込んでいく傾向があり、思ったより登れず悔しくて、「またリベンジしよう」と考える負けず嫌いな人は、徐々に夢中になっていく傾向が強かったように思います。 スポーツだけでなく、食べ物でも勉強でも、段々と好きになっていくものってありますよね。 もちろん、人においても。 ところで、人材育成の分野では、自分自身を変えていく力(自己変革力)を 高めるお手伝いをさせていただくことが多々あります。 自己変革力を判断する指標はいくつかあって、 例えば、 〇興味、関心の幅 〇一歩踏み出す・自ら選択して動く 〇様々な視点、切り口での内省 〇受け入れる力・判断の保留 といったものがあります。 この、「判断の保留」ができる人は、冒頭の話でいう、ものごとを好きになっていく能力がある人ともいえるのではないでしょうか。 今の自分のモノサシではかると、「いらない」「意味がない」「楽しくない」といったものでも、相手や組織(社会)の視点にたったり、将来の自分を想像してみたりすると、とらえ方が変わるものがあります。 同じ状況でも、今の自分にとって「良い」か「悪い」かといった二元論的に とらえる人と、今の自分が見えている世界を疑い、いったん自分の判断を保留して、 「ひとまず続けてみよう」となる人とでは、成長の幅は変わってくるはずです。 そして、この「ひとまず続けてみよう」がいつの間にか、「好き」に変わっていくのではないでしょうか。 「推論のはしご」といって、人間は、自分がもつ固定観念を強化するような情報しか取り入れないといった癖がある生き物です。 そんな自分自身を認識し、自分がかけている眼鏡をはずすことができれば、 まったく新しい楽しい世界が広がっているのかもしれません。 ところで、この「判断の保留」は組織においても大事であると言えます。 多様性のある組織を実現するうえで、ネックとなる問題に「アンコンシャス・バイアス」があります。 「アンコンシャス・バイアス」とは、日本語で「無意識の偏見」と訳される概念で、 「男性は運転がうまい」「若い人は発想が新鮮」「女性は数字に弱い」といったものが典型例です。 ※参考:日本の人事部「アンコンシャス・バイアス」とは? 理系に強い女性もいれば、高齢でも若々しい発想ができる方はいる中で、 組織が無意識の偏見にとらわれ、こういった人々の可能性を切り捨てていれば、 ほんとうの意味でのダイバーシティは実現されません。 組織も、従来までの固定観念をいったん取り外し、「判断を保留」することで 真に多様性のある人材を集めることができ、組織としての可能性を広げていけるのではないでしょうか。  

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