自分らしさを手放した先にあるもの ~ダイバーシティに「しなやかさ」を~

2月の中旬から過ごしていたシューマッハカレッジを発ち、
ロンドンを経由して、日本に帰ってきました。

東京で美味しい魚をつまみながら、ビールを飲んで、
「やっぱり煩悩があるからこそ、人間らしい」
なんて枕詞とともに、焼酎を追加するのは至福の時間です。

さて1ヶ月弱を振り返って思うのは、たくさんの学びがあり、
新たな問いが生まれて、改めて良い時間だったなあということ。

一方で「全然まだまだやなあ」と
自分に言い聞かせるような気持ちがそれ以上にあります。

それはシューマッハカレッジのコンテンツが魅力的で
あったことはもちろんですが、

15人のメンバーとともに、過ごしたプロセスの中での刺激が
大きかったなと思います。

チームとして活動し、学んでいく中で、自分がどんな風に
貢献できるかというのをやはり考えるわけで、

自分の意見・主張だけに固執しない柔軟性
場が明るく、前向きになるためのコミュニケーション
コツコツと真面目に準備をすること
人材開発や、組織論における経験値

自分の中で、ある種の「自分らしさ」であり、
チームに貢献できるポイントを意識してみるものの

みんなとても個性的かつ優秀で、どこを取っても
「かなわないなあ」と思うことが多々ありました。

よく、グローバルにおける「日本人らしさ」「強み」として、
意見をよく聴き、すくい上げ、取りまとめたりする
柔軟性や、ファシリテーション力などが挙げられますが、
あくまで一般論に過ぎないと改めて思います。

ダイバーシティ(多様性)が重要視される時代の中で、
日々の仕事、生活の中でも、一人ひとりが
他人とは違う「自分らしさ」「個性」「強み」を探し、
そこから様々な選択をしていくわけですが、

自分を凌駕する「すごい人」に出会ったり、
他者から見える「自分らしさ」は、
全く想定と違うことにふと気づいたりする中で、
あっけなく自分に落胆をすることは往々にしてあり、

もしかすると、そんなことを繰り返すのが
人生の修行?醍醐味?なのかもしれません。

でも私はこの繰り返しって、結構苦しいなと思うんです。
終わりがなく、いつまでも自分を受容できないような
気がするからです(結果的に、他者も受容できないかもしれません)。

結局、自分らしさや個性って他者との関わり合いの中で、
一人ひとりの中に立ち上がってくるものであって
絶対的なものではない(相対的なものである)ような気がします。

極端に言えば、その日、その時々のコンディション、
目指したいゴールよって、発揮する「らしさ」は変わってくる。
そんな風に捉えることもできると思います。

何年か前、WBCという野球の世界大会の中継をテレビで見ていた時、
普段はクールに、コツコツとヒットを積み重ねるイチロー選手が、
珍しく、感情をあらわにしながらチームを鼓舞する姿を
見せていたことが印象に残っているのですが、

当時、若い世代の選手が好調をキープしている一方で、
イチロー選手は極度のスランプに陥っていました。

勝手な予想にすぎませんが、いつもとは違うメンバー、
いつもとは違う状況の中で、自分がどのようにチームに
影響を与えていくのか、イチロー選手なりに考えていた部分も
あったのではないかと推測します。

これはほんの一例ですが、
つまるところ何が言いたいかと言うと、

自分らしさや個性を模索し、磨いていくことは
もちろん必要であり、大事だと思うのですが、

そこに囚われ過ぎないこと、そして時にそれを手放すことで、
上手くいくこともあるのではないかということです。

ダイバーシティ(多様性)が叫ばれる時代の中で、ともすると
絶対的な個性であり、自分らしさを模索しがちで、
それによる「息苦しさ」のようなものも感じるのですが、

少し肩の力を抜いて「しなやかに」ダイバーシティや
自分らしさに向き合ってみるのも一案ではないか?
そんなことを思うわけであります。

毎度のことながら、つらつらと書いてきましたが、
そんな投げかけとともに、シューマッハカレッジの連載を
締めくくります。

そして4月からは、島根県の離島にある海士町という場所に
暮らしと仕事の拠点を移します。

イギリスで得た学びや、新たな問いとともに、
また一歩ずつ歩きながら、書いていきたいと思います。

 


■プロフィール
山野 靖暁(yasuaki yamano)
1991年生まれ/大阪府出身
株式会社シェイクに新卒で入社後、研修開発やコンサルティング営業に従事、
多くの企業の人材育成、組織開発に携わり、株式会社NEWONEの創業期にも関わる。
2018年1月シェイク退職後、現在はイギリスの大学院シューマッハカレッジに留学、
多様性(ダイバーシティ)の中での、コミュニケーション、コラボレーションの
在り方やプロセス設計について、世界各地から集まる学生と探究をしている。

 

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