イノベーションが花開くまで 〜Tangoを踊った先に見えたもの〜

こんにちは、ライターの山野です。

イギリスのシューマッハカレッジに来て、早2週間、
カレンダーも3月になり、帰国まで折り返し地点に
入ってきました。

2週間過ごす中で、浮き沈みはありながらも、
少しずつこちらのリズムにも慣れてきましたが、

そんな自分のリズムを乱すかのように
今週軽やかに現れたのが「Tango」の授業です。

教授からバトンを受けた
アルゼンチン人の「フェルナンド氏」の監修のもと、
1日特訓をすることになりました。

今となっては、スタンフォードやMIT等の
ビジネススクールでもインプロ(即興劇)などが
積極的に取り入れられると聞いたこともあり、

今回もそういう類のものかと曖昧に想像しつつ
気軽に楽しもうと思ったのですが、
蓋を開けてみると、これがかなり難しい・・・

Tangoはペアで踊るので、いかに呼吸を合わせ、
ステップを踏んでいけるかが問われます。

そしてクラスには、サンバの本場ブラジル勢を
筆頭に、軽やかなステップが聞こえます。

そうなると、もう学びとか、経験との紐付けとかは
遥か彼方に消えてしまい、必死にステップを刻んで
いくしかありません。

(いったい何を焦っているんだろう、自分は)

ただ上手くやろうとすれば、噛み合わないのが常で、
1日がかりで、やっと少しは掴めてきたかと思った頃には、
フェルナンド氏の号令とともに、レッスン終了。

ぐったりと疲れを感じながら、窓の外の雪を眺めつつ、
何でイギリスに来て、必死でTangoを踊っているんだろう
と、ふと我に返ります・・・

しかし、今週の数あるコンテンツの中でも、
(企業インタビュー、政治哲学のレクチャー、ケーススタディなど)

一際学びが大きかったのは、振り返ってみると
何を隠そう「Tango」でした。

お互いのコメントなど、チームでの振り返りの
密度が高かったのもありますが、例えば、

「ペアの先の動きを予測しすぎて、その瞬間の重心の移動に
気づかない。だから動きがどうも噛み合わない。」

「ステップを踏んだ後に、余計な修正の動きを入れてしまう。」

「言い換えると、相手の次の動きを待てずに、
次のステップを踏みたくなってしまう。」

「つまるところ、ペアを信じていない。」

「足の動きが気になる余り、全体としてどんな流れで踊りたいか、
先が見えていない。だから楽しくない」

予測しすぎる、待てない、信じていない、全体の流れが見えない、
キーワードを挙げると、自分も「痛い」ものが、結構あります。

そして何より難しいのが「型がない」ということでした。
相手とのリズム、踊る場所のスペース、すべてが「即興」です。

お互いにとって、心地よい距離感、ダンスという
一点を目指しながら、ステップを踏んでは失敗し、
またやり直しての繰り返しです。

だから慣れないうちは、楽しいどころか、
「むしろ、本当に苦しい」のです

そんな時、ふと思い出したのが、自分を育ててくれた
上司が語っていた「生みの苦しみ」という言葉でした。

Tangoと結びつけるのは、かなり恐縮しますが、
新しい価値、サービスを生み出す過程には、
積み上がる失敗(「ボツ」となった試作品の山)に耐える忍耐と、
孤独との戦いがつきものだと、その人は言っていました。

そこには既存の考え方との衝突、既存の仕組み(制度など)
との衝突、色々あると思います。

イノベーションの事例として、よく取り上げられる
カーシェアサービスなどを展開する「Uber」も、
もともとはリムジンの配車サービスからスタートし、

試行錯誤を重ねながら、成功まで長い歳月を
要したと聞いたことがあります。

また安全性や、規制との衝突もあり、「ウーバータクシー」
などのサービスは日本市場では苦戦しており、

都内のレストランと提携したデリバリーサービス
「ウーバーイーツ」の展開など、日本というマーケットに置いて、
どのようにダンスしていくか、試行錯誤しているようです。

そんなことを考えながら、ふと自分を振り返った時に、

その苦労とチャレンジという点で、先人たちには、
まだまだ到底及ばないわけですが、

「書き続ける」ということを通じて、
日常における小さな発見を、少しでも生み出していきたい、
そんなことを思うわけです。

 


■プロフィール
山野 靖暁(yasuaki yamano)
1991年生まれ/大阪府出身
株式会社シェイクに新卒で入社後、研修開発やコンサルティング営業に従事、
多くの企業の人材育成、組織開発に携わり、株式会社NEWONEの創業期にも関わる。
2018年1月シェイク退職後、現在はイギリスの大学院シューマッハカレッジに留学、
多様性(ダイバーシティ)の中での、コミュニケーション、コラボレーションの
在り方やプロセス設計について、世界各地から集まる学生と探究をしている。

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