若手社員の差が出るポイント ~逆算思考④~

生産性を高める逆算思考。阻害するものとは

「働き方改革」が叫ばれる中、
一人ひとりの生産性を高めることも求められる今日この頃。

いつでも圧倒的に成果がでる若手社員と、そこそこの若手社員、
その違いは何か?の1つとして取り上げている、
個人の生産性にも影響する「逆算思考」。

若手社員や中堅社員は、
いつでも「逆算思考」ができているかというとそうではない中、

それを阻害している3つの要因の一つとして、
(3)しなくても良いのではと頭の片隅で考えている
について、改めて考えてみたいと思います。

キャリア理論の「計画された偶発性」とは

キャリアの理論の中でも有名な、スタンフォード大学のクランボルツ教授の「計画された偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)」をご存知でしょうか。
「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう、というものであり、それを実現する行動指針として、

・好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること
・持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
・楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
・柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
・冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

が大事であるという考え方です。
変化が激しい時代において、最初からキャリアをかっちり計画したり、その計画に固執しすぎたりすることは望ましくないというもので、ここ近年よく言われる考え方です。

キャリアの考え方「山登り型」と「川下り型」

そういった中で、企業内でよく言われるキャリアの考え方として、「山登り型」と「川下り型」があります。

「山登り型」とは、自分が目指す目標を決めて、その目標に向かって一歩一歩進んでいく働き方で、到達するためにマイルストーンに落とし、計画を立てて実行していくものです。
一方で、「川下り型」とは、明確な目指す目標に固執しすぎず、どんな状況に置かれようと、目の前の仕事を一つひとつ一生懸命取り組んでいくものです。川の流れに乗りながらも、自分で舵を取るイメージです。

二つのタイプがある中で、企業内でのキャリア開発でよく言われるのは、社会人の最初の10
~15年程度は、社会全体が理解できているわけでもなく、また、基礎力を身に着ける時期でもあり、「川下り型」で取り組むのが望ましく、一方で、30代後半から40歳前後くらいからは、「仕事を通して到達したい山は何か」が見えてきて、そこから「山登り型」で自分の専門性を高めていくことが大事である、とも言われています。

企業に就職した後、変化が激しい世の中において、良い対応をするためにも、こういった考え方自体はとても重要だと思います。

「キャリア論」と「仕事の進め方論」は同じではない

変化が激しい時代であり、10年後には、今の仕事が無くなっているなど、今とは違う状況になっているこの世の中において、明確で具体的なキャリア目標を定めるのは、なかなか難しいものです。
したがって、「キャリア論」として、特に若手社員が、目標に固執しすぎず、今を見て、今に一生懸命な「川下り型」が重要であることはわかります。

一方で、「仕事の進め方」としてはどうでしょうか。
10年先を見据えるキャリア論ではなく、一つひとつの仕事は、数週間や数か月先という比較的短い期間をゴールに進めるものです。また、依頼者がいて、期待値のすり合わせが大事なものであり、具体的なゴールを設定することも可能でしょう。

その「仕事の進め方」においては、先ほどの「キャリア論」ではなく、目標(ゴール)を具体的に設定し、到達するためのマイルストーンを逆算し、効率的に進めていくことが望まれます。

様々な考えが混同し、言い訳になっている

キャリア論において、目標に固執しすぎず「川下り型」が望まれる昨今。
仕事の進め方も目標(ゴール)に固執しすぎず、出来ることからやっていくことが正しいと捉え違い、逆算思考はしなくても良いのではと頭の片隅で考えている若手・中堅社員が見られます。

「キャリア論」と「仕事の進め方論」は違うもの。
この違いを捉えて、逆算思考を実践することが、個人としての生産性向上につながっていくものだと思います。

逆算思考。
考え方としてはシンプルなものですが、実際の職場で出来ていないシーンから、その3つの理由について探求してきました。

出来ていないのは、出来ていないなりの理由がある。
それを直視することで、人はより良い行動に移るもの。

自分自身はどのような仕事の進め方をしているか、見つめる機会にしていただきたいと思います。

 


■プロフィール
上林 周平(kambayashi shuhei)

大阪大学人間科学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
官公庁向けのBPRコンサルティング、独立行政法人の民営化戦略立案、大規模システム開発・導入プロジェクトなどに従事。
2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げを実施。その後、商品開発責任者として、新入社員~管理職までの研修プログラム開発に従事。
2003年より、新入社員~経営層に対するファシリテーターや人事・組織面のコンサルティングを実施。
2015年より、株式会社シェイク代表取締役に就任。前年含め3年連続過去最高売上・最高益を達成。
2016年、若手からのリーダーシップを研究するLeadership Readiness Lab設立し、代表に就任。
2017年7月、「和×人材育成」をコンセプトにした和の大学株式会社を設立。
2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、生産性向上やイノベーションなどを支援する株式会社NEWONEを設立。
米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー

 

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